Event Report : 海辺を歩いて自然の息吹に出会う朝(2025.6.1)
本日(2025年6月1日)は、海岸線を歩くハイキングイベントを開催しました。
すでに梅雨入りが発表されている南九州ですが、昨日に続きこの日も晴天。
早朝に集合し、静かな海辺をのんびりと歩いて自然を満喫しました。
今回のイベントは、お客様と一緒に企画したもの。
注目のポイントの一つが「もしかするとウミガメに出会えるかもしれない」ということでしたが……なんと、奇跡的にも実際にウミガメと出会えるという、感動的な朝となりました。
ウミガメを見かけたときの注意点
ウミガメは、産卵のために陸に上がってきます。
この貴重な時間を妨げないよう、もしウミガメを見かけた際は以下の点に注意しましょう。
- 驚かさないように、ヘッドライトや灯りを消す
- 大声や物音で驚かさない
- 触れたり、近づきすぎない
今回は、ウミガメが海に戻る場面で保護活動をされている方から「せっかくだから撮っておいで」と声をかけていただき、少し距離を詰めて撮影させていただきました。
このようなご配慮に心から感謝しつつ、今後も海・山・川をはじめとした野生動物の暮らすフィールドでは、彼らの生活を尊重した行動を大切にしていきたいと思います。
初の「海辺を歩く」イベント
今回のイベントは、僕らにとって”初のイベント”となる海辺。
もともとは山や山間部のフィールドを中心にご案内してきましたが、宮崎県を南から北まで歩く中で改めて感じたのが、海岸線の美しさでした。
そんな魅力を皆さんと共有したく、今回のイベントを企画しました。

海岸線にて
登山・ハイキングやフライフィッシングだけでなく、”歩く”というシンプルな行動を通じて、自然に触れ、考え、感動する時間をご一緒できたらと、今後もこうした企画を大切に育てていきたいと思っています。
今回のイベントは、海に詳しい方々と一緒に企画、下見や注意事項の確認など、たくさんのサポートをいただきました。改めて、深く御礼申し上げます。
また、保護活動を行う方々に事前にお伝えいただいたりと、そうした配慮にも合わせて御礼申し上げます。
夜明け前、海辺を歩く
冒頭で”ウミガメに出会えました”とお伝えしましたが、実際に集合した時点では「まず出会えないでしょうね」と話していたほど。
それでも、暗い海辺を歩いて朝日を迎える時間は、それだけで特別なものです。

日の出前の海辺にて
ライトの灯りを頼りに歩き始め、やがて空が少しずつ白んでいく。
山とはまた違った魅力が、海にはあります。
途中で川を渡るポイントもあり、みんなでパシャパシャと渡渉。
そうした体験も、仲間と一緒なら楽しみに変わります。

渡渉
「ウミガメは難しいかもしれないけど、足跡くらいはあるかもね」と話しながら、のんびりと歩く海岸線。
どこまでも宮崎らしい、美しい景色が続きます。
ウミガメの足跡に出会う
そして、発見したのがウミガメの足跡。

ウミガメの足跡
よく見ると、それはまさに今日、僕らが歩く少し前につけられたものでした。
「もう少し早く来ていれば会えたのかもね」と言いながらも、「足跡だけでも見られて」と、みんなで喜びを共有します。

ウミガメが海へと帰った跡
中には「足跡を見るのも初めて」という方もいて、とても印象的な体験となりました。
日の出と朝のコーヒー
足跡に感動しながら、しばらく進むとちょうど日の出の時間に。
東側が海に面する宮崎県では、さまざまな場所で美しい朝日を見ることができます。

日の出
記念にみんなでシルエット撮影も。

シルエットで記念撮影
そして、朝の海辺で珈琲を淹れてのんびり。
「そろそろ戻ろうか」と言いながら、贅沢な時間を過ごしました。

朝の珈琲
このあたりで先にお帰りになる馴染みのベテランもいらっしゃいましたが
その直後、なんとその方から「ウミガメが産卵している」との連絡が。
思いがけない幸運な出会い
すでに産卵中のウミガメは、保護活動を行われる方々が見守っており「ウミガメを驚かさないように、ビーチから外れて歩いた方がいいかな」とアドバイスをいただき、みんなで移動します。

目的の場所へ移動中の図
「間に合わなくても仕方ないね」と話しつつ到着すると、ちょうど産卵を終え、海へ戻ろうとするウミガメと、それを見守る方々の姿が。
感動のあまり涙が出そうだという方も(僕も..)。

海に戻るウミガメ
僕らのイベントの趣旨をご理解くださった保護活動を行う方に「せっかくだから撮ってきなさい」と背中を押してくださり、少しだけ距離を詰めて撮影。

ウミガメ

ウミガメ
ゆっくりと海へ戻っていくウミガメの姿を、静かに見送りました。
「一回目の開催で出会えるなんて本当に運がいい」と、保護活動をされていた方々からも驚きの声。
素晴らしい話を聞く時間
ウミガメを見送ったあとは、保護活動に携わっている方々が、貴重なお話を聞かせてくださいました。
年々狭くなっていく産卵地、海から打ち上げられる木くずやロープ、漂着ゴミ。
環境の変化によりウミガメが安心して産卵できる場所は少しずつ減っており、そうした状況を何十年にもわたって、ボランティアで見守り、支えてこられた方々の存在があります。

素晴らしい話を聞く時間
ウミガメの卵が保護されていること自体は、以前から知っていましたが、実際に現場で活動をされている方々から直接お話を伺うのは、今回が初めて。
卵をタヌキや鳥といった外敵から守るだけでなく、そもそもウミガメが上陸しやすく、安心して産卵できる環境を整えることの大切さ。
それを行政の支援がほとんどない中、個人の意志と行動で続けてこられた背景に、深い敬意を感じました。
なかには、心ない人の行動によって産卵を諦め、海へと引き返してしまうウミガメもいるそうです。
自然との距離感を正しく保つことの難しさと、それでも歩みを止めず守り続ける姿勢に、ただただ尊敬するばかり。
実際にウミガメに出会い、その神秘的な光景を目の当たりにして、「間違いなく宮崎の宝だ」と感じると同時に、その背後には長い時間をかけて自然を守ってきた方々の想いと努力があることを、強く実感します。
僕らは仕事柄、自然を守る活動をされている方々と接する機会が多くあります。
そうした活動は、より多くの人に知ってもらいたいと願う一方で、過剰に知られてしまうことでかえって自然環境が荒れてしまう――そんな複雑で繊細なバランスがあることもまた、感じています。
けれどこの日、野生動物を大切に想い、自ら行動を起こす人々の姿に、心からの尊敬の念を抱きました。
そして、その想いは、きっとご参加いただいた皆さんにも共通していたのではないかと思います。
なにより、出会えることは難しいだろうと思っていた貴重な瞬間を、皆さんと共に体験できたことは、この上ない喜びでした。
早朝からのご参加、本当にありがとうございました。
そして、企画や下見にご協力くださった皆さまにも、改めて心から感謝申し上げます。
素敵な方々に出会う機会
僕らが企画するイベントでは、自然や遊びの魅力はもちろん、その土地に根付いた素敵な方々に出会う機会を大事にする機会も作りたいと思っています。
締切となりました6/15の綾町へ歩こうというイベント。
そして6/22の美々津のイベントも、そうした方々との交流が含まれ、他にもそうしたイベントも考えていきたいと思います。
もちろん、楽しむことが何より大切ですが、楽しむ以上の価値も、時折皆様が感じていただけましたら光栄です。
引き続き色々とイベントも考えてまいりますので、是非当店をご利用いただきますと共に、皆さまと一緒に貴重な体験を楽しめればと願っております。

ウミガメが帰った跡
今後のイベントや、過去のレポートは以下のリンクより参照ください。
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