九州自然歩道 宮崎 MapBook1を歩いて

九州自然歩道のMap Bookの販売をさせていただくようになり1ヶ月が経ちました。

Map Bookの販売をしていながら「ルートの説明が出来ません」という訳にはいかないなと、僕らも九州自然歩道を区間毎に歩いて3回。とりあえずMap Book 1の区間(高千穂峰 – 西都市杉安橋)までを歩きましたが、当店をご利用いただく方にも伝えたいなという点もあり、つらつらと。
※Map Book1の区間中のポイントや注意箇所などにつきましては、店頭でも気軽に相談ください。

高千穂峰

高千穂峰

みちのく潮風トレイル

元々個人的には人の居ない自然の中を歩くのが好きで、”九州自然歩道”の話を伺った時は少し「アスファルト道か…」と思ったところも正直ありまして、可もなく不可もなくというイメージでしたが、僕が「お手伝い出来ると良いな」と感じましたのは”みちのく潮風トレイル”にも携わられた、”トレイルブレイズハイキング研究所”の方々の話でした。

“みちのく潮風トレイル”では地域のご年配の方でも、区間ごとに分けて全区間を踏破した方も居て、そうして地域の方々の参加もあってこそ素敵な道や物語が生まれるんです。

情熱ある方からそうした話を伺い、ご高齢の方が多い宮崎県でもシンプルな”歩く”という遊びを通して、趣味としての時間や世代を超えた繋がりなどを作るべきだなと、そんな真面目な想いで「僕らも実際に歩きながら紹介をしていこう」と思うに至りました。

また、僕らが”山遊び”という観点では頻繁に出かけないエリアもルートの中には含まれており、本当に微力ながら色々な地域の食事処・宿・温泉などの力にアウトドアを楽しむ僕らがなれたらいいなと、そんな願いも込めて歩いています。
僕自身は”みちのく潮風トレイル”は歩いていませんが、お客様の中には一部区間に出かけた方も居て「食事が美味かった」「凄く良い道だった」「街の方がとても良くしてくださった」などと、日頃そんなに山を歩かれていない方が楽しまれているのを拝見して、素敵な道だなと思ったことがあります。

もちろんLong-Distance Hikingなど、アウトドアを楽しむ方もですが、僕は高齢の方でも、町の方でも、遠方から訪れる方でも、快適に歩いて楽しめる道があったら良いなと、実際に一部区間を歩きながら感じていました。


九州自然歩道 宮崎:改善をお願いしたポイントなど

九州自然歩道の中では、1番最初にMap Bookがリリースされたのが宮崎県。
お客様の中には「1番最初が宮崎なんだ」と嬉しそうにされている方もいれば、遠方からお買い求めくださる方、勇退後の趣味としてと購入いただいた方や、近隣の県の方、そして馴染みの皆様、さらには「山は無理だけど、これだったら」とお買い求めいただいた方も居て、皆さまが楽しみにされている顔を拝見しつつ、お勧めな店などの紹介や意見交換などもよく行っています。

九州自然歩道憲章には”多種多彩多様な利用者のニーズにこたえるトレイルとする”・”人と人とを結び合う「絆」のトレイルとする”等という文言もありますが、僕も本当に賛同しています。

九州自然歩道憲章
-「九州自然歩道」の再生と保全と活用への指針-
⚪︎九州自然歩道のあり方
・九州自然歩道の基本は、7県をつなぐ一本のシンプルな線であり、シンボルである。
・多種多彩多様な利用者のニーズにこたえるトレイルとする。
・人と人を結び合う「絆」のトレイルとする。
・それぞれの地域、自治体は、個性は出しても必ず全体像を意識して行動する。
⚪︎九州自然歩道の目的
・豊かな自然や歴史、文化を地域の人たちが再認識し、九州と云うふるさとへの誇りと愛情を持ってもらうことを目指して行動する。
・生物多様性を十分に理解・認識して保全と活用の両面から整備するシンボル的存在とする。
⚪︎九州自然歩道の整備と保全と維持・管理
・九州自然歩道を歩く人たちの物語性や夢とロマンと冒険を意識した整備を行う。
・持続可能な活用のための維持・管理と保全活動を国、自治体、民間団体の連携・協働で行う。
・環境への負荷を極力軽減するために定期的、持続的な環境調査を連携・協働で行う。
⚪︎九州自然歩道の再生と保全と活用への連携と協働
・国、自治体、民間団体との緊密なる連携と協働のもとにトレイルづくりを行う。
・国、自治体、民間団体が主導しつつもかつバックアップにも徹する。

ですが、実際に最初の区間を歩いた印象は「自治体の人は自分の町の区間を歩いたんだろうか」という疑問でした。

下見で出かける際に僕らが大切にしていることは“初心者の目線に立って歩くこと”です。
僕らは比較的山を歩き慣れているため、森の中を歩くのに地図やGPSがあれば目印がなくとも歩くことが出来ます。
しかしながら「山は無理だけど、自然歩道なら」というお客様にとって、それは少し難しいことかもしれませんし、状況によってはリスクが大きくなる可能性もあります。
山や山間部または海など自然のフィールドでの事故は、時に重大事故に繋がるリスクが存在しており、山も海も各地域の専門店はリスク管理やマナーと共に楽しみ・アドバイスを提供できるスタッフが働いています。

“自然歩道”と謳われることで、多くの方が持つ印象は「登山よりはハードルが低い」というものだと思いますが、自治体の方はそうした点におけるリスク対策をどのように考えているのだろうという疑問があり、実際に歩いた区間において「目印の設置」や「薮の整備」などは、担当されている”みやざきハイキングクラブ”の方にお伝えすると同時に、もしも自治体の方が歩いていないのであれば、一度は歩いてくださいと伝えてくださいとお願いしました。

Map Bookが発売されました。ということは「道が出来ました」というサービスの提供が可能であると大半の方は受け取るかと思いますが、僕らが初心者の目線に立って歩いた時に一部区間に不安を感じたため、改善のお願いと必要に応じて手伝いをする旨、そしてボランティアでも参加するというお客様の存在をお伝えさせていただきました。
具体的には、未舗装路区間についての”九州自然歩道”と分かる目印の設置・崩落箇所の整備・薮漕ぎを強いられる箇所の整備など。
その他にも分かりづらい箇所はありますが、遭難事故に繋がるリスクがあると判断した場所は報告させていただきました。

同時に、僕らの店でMap Bookをお買い求めいただいている方の多くは、店の情報をご覧いただいていることもあり、極力出かける都度情報は出すようにしています。
しかしながら、自治体の方が歩いたとするならば多くの場合、山歩きの経験が豊富でない方が多いと思いますので、不安要素が改善されていないということは、現時点では歩いていない自治体の方が多いだろうなという印象を受けてしまいます。

サービスを受ける側にある僕らや多くのお客様は、そうした点を歩きながら感じますし、未整備な歩道はマイナスイメージを与えてしまう可能性もあると考えてしまいます。
是非、地域の魅力が伝わるようになっているのか、地域で事故が起きるリスクなどが避けられているか。さらには個人的な想いではありますが、地域の商店や食事処、宿などの利用促進に繋げられないかと考えて欲しいなと願っています。
元々は観光を目的とした自然歩道として提唱されたと書かれている自然歩道。その補修や整備にかかる費用は税金だと思いますが、僕は実際に歩いて魅力を感じる道だと思いました。

お隣熊本県を見てみると、九州自然歩道の利用者増加を通じた地域の交流人口拡大のための「九州自然歩道利用促進対策事業」にバス停などとの接続点の増加による利便性向上、文化財等との連携による魅力向上、案内看板等の老朽化、多言語化等対策などが令和3年度から令和5年度までの取り組みに掲載されており、こうした取り組みや試行錯誤が、訪れた方々にとって「歓迎されているな」という感動に変わるのだろうなと思います。
まだMap Bookが発売されて間もない期間ですが、僕はわざわざ貴重な時間を使って歩いてくださる方々に「ようこそ」「宮崎に来てくれてありがとう」という気持ちが伝わるように出来るといいなと願っています。


九州自然歩道 宮崎:Map Book 1の区間を歩いた魅力

“歩く”という中で感じる魅力は人それぞれに異なるものだと思いますので、僕の魅力が全ての方にとっての魅力になることはなく、歩く皆様にとって様々に感じることは異なるかと思います。あくまで僕個人の魅力でありますが、日頃”アスファルト”のある道をあまり歩かないので、人との出会いや人の生活圏を歩く魅力を大きく感じたのが霧島神宮駅から西都市の杉安橋までの区間です。

ルート上には利便性を求めるコンビニエンスストアはなく、マニュアル的な対応でない商店や食事処での買い物や会話。
そして霧島山系の麓にあたる高原町や野尻町では火山と人の生活、畜産や養鶏に田畑が多く見られるルート、綾町に入れば美しく大きな照葉樹林と密接に関わる生活・自然生態系農業を営む田畑、国富町に入れば深い森に入ったような渓谷、そして柿を育てる畑が目立ち、西都市上三財に入れば不思議と庭で鶏を飼っているご家庭が多く卵を取っていたり、三納では長谷観音があり、歩く僕らを応援してくれるフレンドリーさに元気をいただいたり。

町と町の間に峠があることが多かったので、峠を越える度に少し異なる生活圏を歩く印象が、日頃山を歩く僕らにとっては非常に新鮮で魅力的でした。
また、動画や写真には収めていませんが、地域の方々との話もとても豊かな気持ちになります。

高原町にある霞神社の商店では「自然歩道を歩いて参拝にくる方で少しでも賑やかになるといいな」という声を聞かせていただいたり、野尻町では歩いた疲れを癒すのに丁寧なおもてなしをしてくださったCafeの店主さんが居て、綾町では野尻から峠を越えて歩いてきた僕らを「おつかれさまー、召し上がれ」と出来立ての食事でもてなしてくださった”あゆの山水”の女将さん。
「綾は良いところでしょー」と話す笑顔に出逢いますと、歩いてきて良かったと思うものです。

あゆの山水でいただいた鮎定食

あゆの山水でいただいた鮎定食

西都では”定食屋 囲”さんという店で昼食を予定していたものの、残念ながら定休日で、公園の隅で大豆を食ってました…

その他にも例えば、”あゆの山水”でお隣だった方々には「おれはもう歩けないけど、綾を歩いて綺麗だったか?」と聞かれ「もちろん綺麗です」と話すと、とても嬉しそうに喜ばれていたり、昔の山歩きの思い出話を聞かせていただいたり、地域愛に触れることで涙が出るような感動を覚えました。

また三納では美味そうに自販機のジュースを飲んでいたら「どこに行くの?」と質問をいただいて目的地を伝えると「歩いていくの!!?」と驚かれつつ「頑張ってね」と応援されたり、僕らが何度も車ですれ違った”のりまき博士”と名付けたおじさんは、結局僕らが心配で峠まで運転してきて「どこに行くの?」と聞いてくださり「杉安橋です」と答えると「あの角を右に曲がってもう少しだ、頑張れ」と言ってくださったり。

山ではないエリアを歩く魅力をたかだか100kmの間で予想以上に実感しています。
そしてみんな地域が好きだったり誇りに感じていたりするので”九州自然歩道”という道の存在は知らずとも、様々な出会いと優しさに感動しております…

他にも出会った番犬、たくさんの犬小屋、牛舎で働く笑顔の素敵なおじさま、柴犬のしつけに手を焼いていたご主人に、空砲の音だらけの道と、僕は歩いていて感動することが多々。
だからこそ、各地域の自治体の方には本当に歩ける場所だけでも歩いて、これから歩く方に魅力を最大限感じていただけるように、また訪れた方が「ようこそお越しくださいました」と感じていただいて、また歩きたいなと感じていただけるようになればと願っています。歩くからこそ見える良い風景や、疲れた後の地域のサービス、人との触れ合いと、疲れはするものの本当に感動するものばまだまだ多く存在していると確信しています。

どこか希薄さを感じてしまう方も多い昨今の情勢の中で、僕はこの区間で出会った方々の温かさに触れて良かったなと思うだけに、少しルートが利用者目線でなかったことが残念ですが、これから多くの方が利用していく度に廃道と化しているような道も、どんどんと利用者を感じる道へと変わっていくものだと思っています。
個人的には「九州自然歩道 宮崎 お越しいただいてありがとうございます」って道標テープを貼りまくりたい気分です。

少し残念だと感じた点もありますが、高千穂峰から西都市の杉安橋までの区間は、僕にとってはとても温かさを感じる道でした。


気候の良くなった秋。
快適に山を歩きたいなというのと同時に、Map Book2と3の区間(西都市-木城町-川南町-都農町-日向市-美郷町-延岡市-日之影町-高千穂町)もタイミングを見て少しずつ歩いていきます。
まだバックパックを背負っている方に出会うことはありませんが、どこかでパックを背負って歩く方と出会えると良いなと、そんな願いも込めつつ、当店をご利用いただく皆様と一緒に良い道へと繋がるように楽しんで行ければと思います。

Map Bookの取扱についてお声がけくださいました、みやざきハイキングクラブの高代さま、九州自然歩道フォーラムの方々、トレイルブレイズハイキング研究所の皆様に、改めてお礼申し上げます。
そして道中に出会った皆様にも改めてお礼申し上げます。

ボランティア行くよと声をかけてくださる方々もその旨も担当の方にお伝えしました、本当にお礼申し上げます。同時に歩くことで道も分かりやすくなっていく点もあると思いますので、是非歩いて楽しまれて、色々と感想もお聞かせください。
お気づきの点などがあり、報告先が分からないという場合も店頭でも承りますので申し付けくださいませ。

僕らも何とかコストと時間を使いながら出来る限りのことは実施していますので、引き続き当店をご愛顧いただければ光栄です。
ボランティアじゃなくて仕事しろというご心配もいただき、感謝しています笑


九州自然歩道でない地域の方から「僕の住む町にもこんな良い道があって」と、人が訪れるようなルートを作れたらなという声もいただきました。
僕らに出来ることなら可能な限り実施しますので、気軽に相談ください。

九州自然歩道に関わらず、山も色んな道も、ルートの選定・道具の選定なども気軽に相談ください。
他にも色々な素敵な山や道もありますので、頑張って色々と紹介できるように努めてまいります。

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