【HIKING REPORT】九州自然歩道 宮崎 | 野尻町 – 西都杉安橋 (綾川荘-西都杉安橋)

今週の定休日に歩いた九州自然歩道 宮崎の野尻町-西都杉安橋区間。
後半部の綾川荘-西都の杉安橋区間のレポートです。店にも近い区間なので期待を込めて歩きましたが、ここでも忖度・嘘無しのレポートをしっかり書きます。
(文章だとどうも厳しく見えてしまいますが、地域にも店をご利用いただく皆様にも整備いただく方にも、愛情あるためなので誤解なく)

忖度ない方が「中野らしいな」と言っていただけそうなので基本忖度しませんが、忖度なく素直に書いた方が行く人の参考になると思いますので、あくまで僕個人的な所感ですが2日目に歩いた区間のレポートです。

1日目区間の野尻町-綾川荘の区間は以下リンクを参照ください。

2日目に歩いた区間は綾町にある綾川荘から上三財・三納を経由して杉安橋までの区間です。
一言で僕の感想を言えば「勿体ない!」という印象でしょうか…

今回のコース

今回のコース

初日に綾川荘のテントサイトで眠って、2日目は綾川荘をスタート。杉安橋到着の目標は14:00で、少しタイトなスケジュールです。
※杉安橋のバスの本数が少なく14:00台を乗り過ごすと次が18:00のため。

綾川荘スタート 6:00

綾川荘スタート 6:00

6:00に綾川荘をスタートして、少し暗い中を車道を歩いて峠を越えて国富町の法華嶽公園付近へ。

朝の峠道

朝の峠道

釈迦ヶ岳を眺めつつ

釈迦ヶ岳を眺めつつ

法華嶽公園からは森の中を歩きますが、ここでもヤマビルの猛攻を受けつつ”廃道”と呼んだ方が適切っぽい”自然歩道”を歩きます。
この区間は景観に面白みがありゴルジュっぽい景観なども楽しめるだけに、道が荒れているのが残念ですが、トレイルランニングの目印テープも貼られていたので「少しずつ人が歩いて道がしっかりとすれば良いな」と思いながら歩いてました。

ヤマビルが好きそうな雰囲気です

ヤマビルが好きそうな雰囲気です

ジメジメしてヤマビルが好きそうな雰囲気の中、期待を裏切らずに山ほど出てきます。
定期的にヤマビルをチェックしながら歩いていきますが、景観は良いが道が悪い。
慣れた人には問題なく歩ける”廃道的”な道ですが、少し油断すると怪我する人が出てもおかしくないなという箇所もあり、片側がまぁまぁの高さの箇所もあるので、初心者の方は通行時は滑らないように注意しつつ歩く必要があります。

渡渉点

渡渉点

渡渉点

渡渉点

渡渉箇所には水に入らざるを得ない場所もあるので、シューズ履いたまま水に入って渡渉。
こういうラフさは個人的には好きだったりするのですが、渡渉点に降りる傾斜は初心者の方は嫌がる感じだと思います。
良い景観の中を歩けるだけに「勿体ないなぁ」という印象を持ってしまいますが、これからの整備に期待しつつ。
※もちろん必要性があれば僕らも整備に参加するとお伝えさせていただきました。

適度に良い景観

適度に良い景観

ちょっとしたよじ登り

ちょっとしたよじ登り

自然歩道が作られた当初、どんな光景だったのかは分かりませんが、ここでも廃道感を感じるので「勿体ないな」と思う区間。
渓谷沿いなので、増水時の侵食などやむを得ないような場所で南国感満載な藪漕ぎ。そしてダニのチェックと、あれこれしながら進みます。

渓谷沿いの道

渓谷沿いの道

崩落した土が積もり踏み固められていない道、崩落で壊れた手すり、雑木林と化した道に結構な数のヌタ場と”廃道感”がありまして、しつこいですが、景観が適度に楽しめるだけに勿体ないというのが国富町の森を歩いて感じるポイントです。

倒木を避けながら

倒木を避けながら

作られた当初を想像しながら

作られた当初を想像しながら

良い景観があるので「作られた当初はどんな光景が見れたんだろう」と想像してしまいます。
仕事柄宮崎県内をあちこち歩きますが、本当に良い雰囲気の道なのです。

良い階段道

良い階段道

宮崎市近郊の山深さが存分に堪能できる、良い雰囲気かつ”らしい”感じの景観。
法華嶽公園を過ぎてからの森は、ヤマビルはともかくとして宮崎市近郊の自然風景としては「見どころです」と僕は感じる風景なだけに「勿体ないなぁ」とついつい言葉が出てしまいます。
ちなみに下の渓谷はちょっとしたゴルジュ感があって、それもまた良し。もしも道が綺麗ならば高千穂峰-西都間の中では個人的には見どころのひとつだなと言っても過言ではない景観です。

そして森を抜けると柿を育てる畑の多いエリア。

柿の畑を通って

柿の畑を通って

通る地域ごとにメインで育てる作物が異なり、人の営みを見ながら歩くというのが、個人的には現時点の九州自然歩道の興味深いところ。
獣害被害防止のためだと思いますが、空砲がすごい勢いでなっていたので”紛争地を歩いている”ような音でしたが、それもまた地域の特性かなと思いながら時折間近くで「バーン」と鳴るので、びっくりしていました。

そして籾木池を抜けて上三財へ入り、再び峠越えの道。ここでは正しいルートが判別しきれずに完全に藪漕ぎを強いられ時間のロス。
余談ですが上三財では不思議と庭先で鶏を育てている家が多く、卵をとっている姿などを拝見しながら興味深いなぁと感じていました。こういう生活習慣の違いも歩く僕にとっては理由を知れれば面白いと感じるポイントです。

藪漕ぎ

藪漕ぎ

さて、上の写真は一応ルート上にいますが、パンパスグラスが強すぎて手を切ったりしつつ必死に藪漕ぎ。
その果てにルートを見失い、地形図を見ながら目標ポイントまでとりあえず直登でルートを正したものの、まぁまぁの時間ロスを行なってしまいます。
この感じだとペース調整できない人が歩いた時に”公共交通機関を使うとなると難しくなってしまうな”と思っていたポイント。
宮崎県のバスを調べると本数自体が少なく、乗り過ごしてしまうことが帰宅できないという状況を起こしかねないので、一定の距離を歩くとなる場合に時間のロスを考えて計画をしなければならないなと。

そして伐採された森。
作られた当初は違う光景だと思いますが、宮崎の山を遊ぶ方々から見ると「これは色んな人に見てほしい宮崎の綺麗な森ではないぞ」と言ってしまいそうなポイントを歩きます。

伐採地

伐採地

反面、険しい急斜面で働く林業従事者の方々の姿を見ながら「素敵だなぁ」なんて思っていましたが、ここから再び難所。
元気なパンパスグラスの藪漕ぎが続いて、ペースを上げることができません…汗

再び藪漕ぎ

再び藪漕ぎ

上の写真は、一応ススキの中にスタッフがいるのですが、撮影した僕ですらどこにいるか分かりません…
これがかなり続いて、ススキまみれ、花粉だらけでパックは緑色。時間はかなりのロス。
この辺りから「今日帰れるか?」なんて話しながら時計を見ながらペース配分に苦労しますが、スタッフも「帰れるかな…」と不安をこぼします。

なんとか峠を越えて麓町の三納へ。
峠越えが苦労しただけに、ここまで来ると「麓を歩く方が楽しい」なんて言ってます。

ホッとする麓の道

ホッとする麓の道

かなり終盤まで来たのですが、目的とするバスにはこの時点で間に合わず… まぁ帰れれば良し。
ペースを上げて帰れないということがないように歩きますが、汗だく…途中で自販機で飲むジュースの美味いこと。

サンA

サンA

初めて見るジュースを見ると買うのですが、これは疲れた体に美味かった”フルッぴー”
初めて見ましたが”サンA”さん、最高です。マジで美味かったです。

ジュース飲みながら「あぁ、生き返ったー」なんて話していると町民の方に「どこまでいくの?」と聞かれ、野尻から来て杉安橋まで向かう旨を伝えると励ましをいただいて、とりあえず元気復活。最後の峠を越えるために上り坂をサクサク。
そして心配してくれた町民のおじさまが車で訪れて「長谷観音?」と聞かれるので「杉安橋です」と答えると、次の角を右に曲がって降りれば大丈夫と教えてくださって最後の元気をいただいてサクサクと。

ここまでの区間で色んな方と話をしましたが、本当に元気を下さる方ばかりで本当にありがたいです。
そして最後の峠では、なぜか自生しているサボテンがあちこちに。

サボテン

サボテン

そして峠を降りて目的地の杉安橋へ到着。

杉安橋

杉安橋

残念ながら目的としていたバスには間に合わず、最終のバスまでは待ち時間が長く「帰って仕事ができない」と三和交通さんに電話してタクシー。
西都バスセンターまでタクシーで移動して、宮崎までバスで戻って終了です。

綾川荘-西都杉安橋までの区間も、やはり峠越えの山道ではピンクテープ的な目印が存在していないため、険しい区間はありませんが初心者の方は経験者に同行いただくのが現状では無難だと思います。現時点では藪漕ぎのエリアもあり、読図またはGPSアプリで道なき箇所でも問題なく歩ける方であれば歩行は問題なく可能なレベル。
各集落毎の営みの素敵さや、国富町の森の中などは歩く価値があると思いますが、傾斜のある箇所・片側が崖の箇所などがあるためスリップなどには十分に注意して行動しましょう。

区間を歩いた所感などは担当されている方にフィードバックさせていただき、色々と意見交換も行わせていただきました。
事故のリスクがあると思われる箇所については早い段階で整備や精査も行われるとのことで、これからより良い道になると良いなと思います。

取り急ぎ南側の起点となる高千穂峰から西都市の杉安橋までの112kmの区間は歩いて、注意箇所などは店頭で相談いただければある程度ご案内しますので、出かけてみようという方は気軽に相談ください。
またタイミングを見て続きの区間にも出かけてまいります。

まだまだ修繕も進んでいくかと思いますが、何より貴重な道の一定の整備を行なっていただいた九州自然歩道フォーラム・みやざきハイキングクラブ・トレイルブレイズハイキング研究所の方々に感謝の気持ちを込めまして。


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