Miyazaki Seaside Trail -宮崎県の海岸線の道- | 総括

昨年末から歩きはじめた、宮崎県の南部・串間市の都井岬から、北部延岡市の北浦までの宮崎県の海岸線の道。
下見で歩いた距離は400km以上でしたが、実際にコースとして使えるなという道は300km。
その区間は以下のリンクで全てトイレの場所を含めた地図にいたしました。

歩く中で感じることや、魅力と思うことは人によってそれぞれ異なるかと思いますが、今回はお客様からご要望をいただいていました総括的なレポートを更新させていただきます。
是非色んな方に歩いて楽しんでいただければ光栄です。


宮崎県の海岸線を知る歩き旅

串間市にて

串間市にて

素晴らしい風景

僕とスタッフは生まれが宮崎県ではないので、宮崎県に住んでいながらも知らない風景や文化がたくさん存在しています。
そんな僕らにとって、海岸線の道を歩く道は本当に素晴らしい歩き旅の時間で、ひとつは歩きながら眺める海岸線の風景の素晴らしさです。
なので、移り住んできた方が”宮崎県を知る”という意味でも、歩き旅を楽しむことは本当に興味深い時間になると思います。

宮崎県南部では宮崎層群が作り出す特徴的な地形や”鬼の洗濯岩”と呼ばれる地形。
中央部では延々と伸びる美しいビーチ、そして日向付近からは火山が生み出した特徴的な地質を楽しみ、宮崎県北部ではすばらしいリアス式海岸。
さらには至るところで眺められるサーファーの居る風景。そしてシーズンになればウミガメが産卵に訪れる土地。

縦に長い宮崎県は、西部には山間部の美しさがあり、東部には海岸線の美しさがあり、改めて海と共にある営みの美しさに感動しながらの時間を楽しませていただきました。

本当にどこの区間を歩いても青い海。
素晴らしい景観で、こんな風景が”当たり前”だという宮崎県はなんとも贅沢な環境だなと思います。
さらには、太平洋に面した宮崎県では、どこで眠って目覚めても朝日を拝むことができるもので、陽が昇る景色を毎朝眺めるのは本当に素敵なものです。


人の温かさ

そして、どの区間でも共通に嬉しいのは出会う方々の温かさ。
僕は勇気を出しつつ、歩きながら色んな方とも話を楽しませていただきましたが、パックを背負って歩く僕らの姿は珍しさがあるためか「どこまで行くの?」であったり「どこから来たの?」という流れから色々な会話へと発展します。

日頃、あまり人と出会わない山の中をウロウロしていた僕らにとっては、宮崎県の海岸線を歩きながら出会った方々との会話は、とても素敵な時間に思え、日頃のセカセカとした時間とは真逆にあるような時間のゆったりさ加減を感じながら歩かせていただきました。

それぞれの地域で出会う方々の魅力は、風景同様に感動する時間。
とにかく人が温かい。そして笑顔が素敵な方が多い。
“昔ながら”な空気の残る場所で感じる、どこか昭和的な雰囲気が中年店主には本当に心地良いものでした。
(と、オッサンになったなぁと感じつつ)


人の営みの美しさ

次に串間市・日南市・宮崎市・新富町・高鍋町・川南町・都農町・日向市・延岡市と歩いて北上した訳ですが、歩きながら知る地域ごとの暮らしや風習・食文化など、人の暮らしの美しさ。
九州自然歩道をきっかけに長距離を歩く楽しさを考えるようになったのですが、それまでは”舗装路”を歩くことには全くの無関心で、基本的には森の中や自然の中を歩くことにだけ関心を持っていました。

しかし人の生活圏を経由しながら歩くことは、その土地ごとの風習や食文化の違いも”ひとつの自然”だと考えるように。
例えば山域によって異なる植生や動植物があるように、土地ごとに異なる風習や食文化に景観が存在するもので、これまでは人の生活圏を”自然”と捉えて見ることはありませんでしたが、改めて人の生活圏にも美しいものが存在するものだと感じるようになりました。

そして、”昔ながら”の景観が存在する場所の方が僕にとっては美しさや興味深さを感じたものです。
例えば田畑で育てている作物、港で働く光景、その土地のものをいただける食事処、その土地の方との会話。
本当に多くの感動が存在し、何度歩いても色んな方との出会いがあり、感動するものです。

さらに言えば海には海の、山間部には山間部の、火山帯には火山帯の生活習慣や文化・伝統が存在し、そうしたものも自然と言えるのだろうと歩きながら考えていました。


公共交通機関やお店の利用

歩くからこそ感じたのは、公共交通機関の利用や旧道などのお店の利用。
基本的に公共交通機関の不便さを実感し、目的とする電車に乗れなければ1時間待ちなんてことが日中は相当存在しますが、朝には学生の子らが通学で使用する公共交通機関。
僕もほぼ乗ったことがない宮崎県の公共交通機関ですが、実際に使ってみると「もっと利用を促進したいな」と、そんな思いを感じます。

とは言え「使わねば無くなるから使おう」なんて言ったところで、利用の促進につながるとは、正直色んな方の話を聞いていて無理だろうと考えたりする訳ですが、長く歩く上で電車をはじめとした公共交通機関は使わざるを得ません。
そんな遊びが普及すれば、必然的に電車に乗る人が増えます笑
そして僅かでも宮崎県の公共交通機関の利用促進に貢献できればなと願うものです。

また、海岸線では美しい景観の道があるにも関わらず、トンネルや高速道路で通行が減少しているというのも地域の方から伺った話。
そして、そんな沿線上には美味い食事処や宿なども存在します。
「だったら歩いて訪れて、最高に腹減った状態で美味い飯をいただこうじゃないか」と思うのが人の常。
車が通らないなら、歩こうじゃないかという至極単純な発想です。

電車も店も宿も、本当に素晴らしいものが存在しているのに使わないのは勿体無い。
そしてそれらは、本当に価値のあるものが多く存在していると本当に心底感じました。

そんな想いを汲み取って、遠方から訪れてくださった方や、飛行機でわざわざ宮崎県を訪れて「区間ごとに歩こう」と言ってくださる方がいて、少しばかり食事処や宿を使うということに繋がっていまして、わざわざそんなアクションをとっていただける方の温かさにも心底感謝しています。


中高年の健康増進

魅力を挙げればキリがありませんが、中高年の健康にも最適だと思います。
宮崎県にお住まいの方は、意外と運動不足の方が多い。

人生100年と言われるご時世で、非常に運動不足。
それを実感し、趣味として簡単な運動から楽しもうという方が増えている印象もありますが、”山に登る”ということよりも比較的安全だと言える海岸線の道。
元々様々な方が歩いて楽しめるようにという目的あって歩いたのですが、JRが並走している区間が多いため、短い距離を考えて1日だけ歩くということも可能です。
そして歩く人が適度に増えれば、さらに歩きやすくなるもの。

シンプルな歩くという活動を通して、歩く人同士の繋がりが生まれたらいいなと願うばかりです。


テント泊

少しだけアウトドア的な内容も追加すると、九州にはテン場として山にテントを張れる場所が多くありません。
そしてテント泊などをしなければ訪れられないという場所も多くありません。
だからテントを持っているのに使用機会が少ないという方も意外に多い印象を受けますが、だったらテントを担いで海岸線を歩けば良い訳で、無いなら作れば良いと思いながら歩きましたが、意外に海岸線にはキャンプサイトが点在しており、衣食住を持って歩くには最適です。

道具持ってる方は使わねば損。
しかも高低差がないので、非常に手軽に楽しめ、荷物の軽量化も容易です。


初心者に最適な歩き旅

自販機も多い、店も存在している、舗装路も多い。
これらはアウトドアフリークから見ると「なんだそりゃ」という捉え方に繋がるかも知れませんが、僕は「それで何が悪い」と思いながら堂々と歩いて自販機でジュース買ってました…
おじいちゃんでもおばあちゃんでも歩いて楽しめる道も、それはそれで美しいものだと僕は今では感じるようになりましたが、自分が爺さんになった時にも衣食住を持って歩き旅が出来たらいいなと思います。

九州自然歩道よりも難易度が低く、全てを歩いて歩き旅やロングトレイルに惹かれるのであれば、さらに九州自然歩道や山の縦走も楽しめます。
長く歩くことは、時に”飽き”との格闘な時間も存在するもので「ずっと楽しい」とは決して言えませんが、何巡しても楽しさのある道のひとつだと思います。


総括

歩くべし。

今回書かせていただいたのは、本当に色々な感動の一部です。
そして人によって感じることも違えば、書ききれていない魅力で神話や戦争の歴史など、まだまだ知りたいことが存在します。
特に宮崎県に移り住んできた方にとっては、各地域の場所や文化を知るという上でも、本当に興味深いことばかり。

歩いてみようという方は、地図だけ見ながらでも歩けると思いますが、店頭でも気軽に相談ください。
また、実際に歩いた方からの感想を聞かせていただくこともありますが、是非歩いたという方は色んな話を楽しめれば光栄です。

また歩きますが、今度は都井岬から鹿児島方面・志布志や大隈半島、桜島方面にも足を伸ばして、南でも九州自然歩道と繋げてみようかなと思っています。
本当に素晴らしい道でした。

余談ですが、都井岬では春駒の季節。
これからスタートするという方が、ちょうどいらっしゃいましたが、良きスタートになりそうです。


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