Observing Nature -自然観察の楽しみ-

昨年にお客様から
こんな質問をいただきました。

「宮崎県の有名な山は登ってしまったのですが、何回も同じ山に行く場合は何が楽しいのでしょうか」

定期的にお客様から
質問いただいた内容について
他の誰かの参考になればと
WEBサイトでも
思い出したら書いていこうと思います。


山や山間部の楽しみ

仕事中の一コマ

仕事中の一コマ

僕は山に出かけるのが仕事でもあるので
否応なしに山に行きますが
その辺の裏山でも歩いていて楽しいものです。

僕らのご提案する遊びは
基本的に山や山間部での遊びがほとんどですが
フィールドの中では様々な遊びが存在し
人によって楽しみ方や感動するポイントも違います。

少し思い浮かべてみると

  • 登山・ハイキング
  • 渓流釣り
  • クライミング
  • 沢登り
  • バードウォッチング
  • 山野草探し
  • 昆虫
  • 樹木

書き出すとキリがありませんが
たくさんの楽しみ方が存在しており
まだまだ食べものやキノコなど
凄まじい種類の遊びがあり
それぞれに色々な楽しみ方があります。

例えば登山やハイキングだけを見ても

  • 全国、または世界中の有名な山に登りたい
  • 植物を探して楽しみたい
  • 運動不足の解消やトレーニング
  • 里山の風情を楽しみたい
  • 低山を歩いて楽しむ
  • 植生を調べる
  • 地形を知って成り立ちを知る
  • スピードや距離

など
楽しみ方だけを見ても
挙げればキリがありません。

遊びの種類や楽しみ方は
人によって違いがあれば
その時の気分や経験によっても違いがあります。

ちなみに、僕個人的には
“爺さんになっても楽しみ続けられる遊び”
というのが、ここ数年のテーマです…

あまり大きな声では言いにくいのですが
人の多い山も苦手で
仕事抜きで考えれば
登山開始から下山まで
誰とも会わない山が好きだったりします。
(反面、山でお客様に会うのは嬉しかったりと矛盾してますが…)

今回はそんな捻くれた
僕が知って欲しいなという山の楽しみ方のひとつ。
Observe(観察)の楽しみのご紹介。


Observe(観察)

観察

観察

宮崎の山や山間部で遊び始めて
そろそろ20年が近づいてきていますが
僕は同じ山に何度出かけても
同じ川で何度釣りをしても
大抵の場合は楽しんでます。
(たまにそうじゃない時がありますが…)

むしろ今の方がずっと以前よりも
楽しいと思っていますが
そのポイントがObserve(観察)だと
振り返って考えてみると感じています。

たまに
野鳥や動物を探しに出かけることもありますが
僕は無制限に待ってられるので
スタッフやお客様と出かけると多分飽きられます。

とある荒れた山へ、野生動物を探しに

とある荒れた山へ、野生動物を探しに

Observeという意味では
僕はまだまだ初心者で
広く色々と教わりながら楽しもうとしているので
果てることなく面白さが湧いて出てきます。

上の写真は
とある荒れた山へ野生動物を探しに
カメラを持って出かけた際の一コマですが
この時は見事に空振り…

また、別の機会では
信頼する案内人と山を歩いている時に
15年以上待ち望んだカモシカに遭遇し
案内人と2人で、誰もいない山奥で鳥肌を立てていました。

ニホンカモシカ

ニホンカモシカ

また希少な動物に出会うことも
結構頻繁にあります。
下の写真は、ソボサンショウウオ。

ソボサンショウウオ

ソボサンショウウオ

渓谷に降りて楽しんでいても
魚はエリアによって模様が違ったり
季節によって飛んでいる虫を調べたり
虫の生態に驚いたり

「何でそうなっているんだ」なんて調べ始めると
非常に興味深く、かつ理にかなっていると関心したり。

山女魚

山女魚

季節によって異なる野鳥を見つけては
「夏が近づくなぁ」
「そろそろ冬か」と感じてみたり

夏鳥(オオルリ)

夏鳥(オオルリ)

冬鳥(ジョウビタキ)

冬鳥(ジョウビタキ)

ドラミングの音を聞いては
キツツキを探してみたり。

アオゲラ(キツツキ)

アオゲラ(キツツキ)

標高の高い場所にしかいない昆虫
猛毒のある虫や植物
日本に渡ってくる蝶

アサギマダラ(渡りの蝶)

アサギマダラ(渡りの蝶)

探し始めるとキリがなく
三脚担いで山に出かけることも
お客さんが居ない時はよくあります。

三脚担いでブラリ

三脚担いでブラリ

誰かに教わっては探しに出かけてと
そんな楽しみ方をする際は
むしろ山頂に行かない方が楽しめるので
山頂に全く目を向けてない時も頻繁です。
(山頂はあまり何も居ないので)

観察と言えば山野草が好きな方は
山歩きを楽しむ方にとても多いですが
固有種が多かったり
山域によって違う植生を知るのもまた面白いものです。

例えば僕は
山歩きを始めるまで
宮崎の山に食虫植物が自生していることすら
知りませんでしたが
気づいて知れば、めちゃくちゃ自生しています。

モウセンゴケ

モウセンゴケ

また強い毒を持っていることで
身を守る術を持ち羽が退化した昆虫。

こんなことも専門家の方に聞いて
改めて山で見かけて関心したりと
書いてキリがないほど自然観察は面白いのですが

同時に、専門家の方々や
詳しい方々自身もまた、最高に興味深く
話を聞いていて飽きることがありません。


楽しいだけではないObserve

野生の鹿

野生の鹿

自然観察(Observe)と言えば
楽しいことばかりではなく
関心深いこと、興味深いこと
時に胸の痛くなる光景も存在します。

例えば増えすぎてしまったばかりに
やっかいもの扱いされてしまう鹿。

鹿が増えたことによる食害や
森の変化なども
やっぱり自然観察だと個人的には思っています。

例えば毒のある植物ばかりになった森や
たくさんの木々が枯れてしまった稜線。

馬酔木、ミヤマキリシマ、バイケイソウなど
鹿が食べない木ばかりが目立つようになったなと
そんなことを思う方も増えていますが
それも素晴らしい自然観察だと思っています。

そして要因を調べれば
たくさんの要素が存在しており
そうした要因もまた、楽しいというわけではなく
興味深いものです。


身近な森を歩くことの楽しみ

森

自然を観察しながら
様々なものを楽しみつつ
時に変化に気づいて関心するのは
やっぱり身近に自然があって
頻繁に山に出かけられるからだなと思うことがあります。

誰にも気づかれないままに
絶滅しようとしている動物や植物も
残念ながら身近に存在するのですが

色々と知って森や自然を歩くのは
僕にとって非常に関心深いことで
山川海の自然が身近にある宮崎県では
観察から得られる気づきや学びも
めちゃくちゃ面白いのであります。

果てしなく観察については語れるので
この辺りで終えようと思いますが
宮崎県の大切にしなければならない自然を
もっと知りながら山を歩きたいなと思う今日この頃です。

余談ですが
難しそうで手の出せなかった
昆虫や樹木に手を出そうとしてまして
果てしなく奥が深そうで躊躇している店主です…

さすがにキノコは手を出せてませんが
天然のキノコ鍋にも憧れを抱きつつ
観察遊びしたい人が居れば、是非一緒に楽しみましょう。

こういうの、地方住まいの最強な強みです。
ご希望とあれば、連れ出しますので
店頭で気軽に店主に申し付けください笑

新芽の芽吹く季節。
これから色々な観察が楽しめる季節です。
荒れた森を眺めるたびに
美しい自然が維持できる宮崎県であって欲しいなと願うものです。

是非、双眼鏡やカメラを持って
改めて森を観察していただければ光栄です。


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