霧島山の成り立ち -霧島ジオパーク推進連絡協議会 + PORTAL-

画像提供:霧島ジオパーク推進連絡協議会

僕らの店のお客様でも
多くの方が歩いて楽しまれる霧島山系の山々。

この山域はビギナーからベテランの方まで
様々な方が歩いて楽しまれるエリアで
いつも多くの方がハイキングを楽しまれています。

大浪池・大幡池・白紫池
六観音御池・御池・小池など多くの火口湖や
多くの噴火口跡を見ながら歩けるのは
霧島山系の特徴のひとつと言えますが

今回は
霧島ジオパーク推進連絡協議会の方に協力いただき
霧島山の成り立ちについてのご紹介です。

噴気を上げる新燃岳(手前)と高千穂峰(奥)

噴気を上げる新燃岳(手前)と高千穂峰(奥)

山の成り立ちを知って歩いたり
実際に地質図を見ながら風景を楽しむのも
またハイキングを楽しむ際の面白さが広がるもので
日頃霧島山を楽しまれる方に
是非ご覧いただければ幸いです。

霧島山の成り立ち

宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島山は
現在も活動を続ける活火山です。

活火山とは「概ね1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」のこと

霧島山は富士山のように
ひとつの大きな山ではなく
たくさんの火山が重なって形成されており
それぞれの火山が活動した結果が
現在の霧島山で、その山体は一気にできたわけではありません。

地質図を見ると、それぞれの山が
溶岩などの噴出物により山体を作っており
それらが折り重なる様子が分かりやすいです。
(同じ火山からの噴出物は同じ色で表されています)

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターのHPより引用

国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターのHPより引用

引用元:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/kirishima/text/exp11-1.html)

上の画像で赤丸の箇所は噴火した火口の跡です。

余談ですが
山を歩く際に地質図をチェックして
山の地質や岩の質などを知るのは
風景などの予想を立てれたりと面白さが増します。

以下のリンクは僕がよく
地質の確認などを行う際に見るサイトです。

地質図Navi


霧島山の特徴は様々な火山地形です。
火口や火口湖、溶岩の流れた地形
その外にも多様な火山地形を見る事ができることから
火山の博物館ともいわれています。

霧島山がいつごろから火山活動を始めたのかは
はっきりとはわかっていませんが
今見えている霧島山の山体のほとんどは
約34万年前以降に形成されたものです。

画像提供:霧島ジオパーク推進連絡協議会

画像提供:霧島ジオパーク推進連絡協議会

古い時代に活動した火山は
浸食などにより変形を受けているため
火口がはっきりしなかったり
深い谷が刻まれていたりします。

また、最後の火山活動から
経過した時間が異なる場所では
山の印象も違っています。

ほとんど草木が生えていない場所もあれば
山全体に深い森が発達していたりする場所もあり
同じ霧島の山域でも、山によっては
火山と思わず登っている人も多いかもしれません。

栗野岳、烏帽子岳、獅子戸岳、矢岳などは
現在の霧島山の中では古い時代に活動した火山です。
そのあとにできた大浪池、夷守岳、白鳥山なども比較的古い火山です。

霧島火山の形成史:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターより引用

霧島火山の形成史:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターより引用

引用元:霧島火山の形成史:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/kirishima/text/exp11-1.html#)

約3万年前以降には
甑岳、韓国岳、新燃岳、中岳などができ
約7300年前以降には高千穂峰、御池、御鉢などの火山ができました。

霧島で最も新しい火山は
16~17世紀頃にできた現在も活発に噴気を上げる硫黄山です。

霧島山では、数万年~数十万年といった
遠い過去の話だけではなく
歴史時代も度重なる噴火が起こっています。

近年噴火し、現在も噴気をあげる
新燃岳や硫黄山のほか、御鉢もその代表例です。

※特に新燃岳と御鉢の噴火については、古文書にも詳しくその記載がされており、当時の人々が大きな被害を受けたことがわかっています。


成り立ちの特徴からわかるのは
霧島山はどこで噴火するか予測が難しいということです。

今後、最近活動が活発な火山だけが噴火するとは限らず
今は静かな別の火山が活動を再開したり
まったく新しい火山ができる可能性もあります。

霧島山は、まだまだ未知の部分が多い火山なのです。


実際に山を歩く際に地質図と地形図を
照らし合わせて見る方は決して多くはないと思いますが
地質図を見て考えると
また面白い発見もあるものです。

また霧島山系の火山地質図や形成史を見て
霧島の山を歩くとたくさんの火山が
別の時代で噴火した跡を感じることもできます。

例えば高千穂峰を例に挙げて見ると
最も登山者の多い高千穂河原からのコースを歩いた場合と
その逆のコース(天孫降臨・夢が丘・霧島東神社)では
植生が全く異なることに気づく方も多いと思います。

これは高千穂峰の御鉢が
比較的新しい火口であることを
歩いて感じることが出来るポイントです。

新旧様々な火山を持ち
それぞれに違った風景の楽しめる霧島の山々。
是非皆様も、歴史と照らし合わせて歩いて見ると
きっとまた違う魅力を発見できると思います。

もっと詳しく霧島の歴史について知りたい方は
是非ご自身でも色々と調べてみてください。

霧島ジオパーク:WEB


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