僕らの店のお客様でも
多くの方が歩いて楽しまれる霧島山系の山々。
この山域はビギナーからベテランの方まで
様々な方が歩いて楽しまれるエリアで
いつも多くの方がハイキングを楽しまれています。
大浪池・大幡池・白紫池
六観音御池・御池・小池など多くの火口湖や
多くの噴火口跡を見ながら歩けるのは
霧島山系の特徴のひとつと言えますが
今回は
霧島ジオパーク推進連絡協議会の方に協力いただき
霧島山の成り立ちについてのご紹介です。
![噴気を上げる新燃岳(手前)と高千穂峰(奥)](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/06/20230605_03c.jpg)
噴気を上げる新燃岳(手前)と高千穂峰(奥)
山の成り立ちを知って歩いたり
実際に地質図を見ながら風景を楽しむのも
またハイキングを楽しむ際の面白さが広がるもので
日頃霧島山を楽しまれる方に
是非ご覧いただければ幸いです。
霧島山の成り立ち
宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島山は
現在も活動を続ける活火山です。
活火山とは「概ね1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」のこと
霧島山は富士山のように
ひとつの大きな山ではなく
たくさんの火山が重なって形成されており
それぞれの火山が活動した結果が
現在の霧島山で、その山体は一気にできたわけではありません。
地質図を見ると、それぞれの山が
溶岩などの噴出物により山体を作っており
それらが折り重なる様子が分かりやすいです。
(同じ火山からの噴出物は同じ色で表されています)
![国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターのHPより引用](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/06/20230605_03b.jpg)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターのHPより引用
引用元:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/kirishima/text/exp11-1.html)
上の画像で赤丸の箇所は噴火した火口の跡です。
余談ですが
山を歩く際に地質図をチェックして
山の地質や岩の質などを知るのは
風景などの予想を立てれたりと面白さが増します。
以下のリンクは僕がよく
地質の確認などを行う際に見るサイトです。
霧島山の特徴は様々な火山地形です。
火口や火口湖、溶岩の流れた地形
その外にも多様な火山地形を見る事ができることから
火山の博物館ともいわれています。
霧島山がいつごろから火山活動を始めたのかは
はっきりとはわかっていませんが
今見えている霧島山の山体のほとんどは
約34万年前以降に形成されたものです。
![画像提供:霧島ジオパーク推進連絡協議会](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/06/20230605_03.jpg)
画像提供:霧島ジオパーク推進連絡協議会
古い時代に活動した火山は
浸食などにより変形を受けているため
火口がはっきりしなかったり
深い谷が刻まれていたりします。
また、最後の火山活動から
経過した時間が異なる場所では
山の印象も違っています。
ほとんど草木が生えていない場所もあれば
山全体に深い森が発達していたりする場所もあり
同じ霧島の山域でも、山によっては
火山と思わず登っている人も多いかもしれません。
栗野岳、烏帽子岳、獅子戸岳、矢岳などは
現在の霧島山の中では古い時代に活動した火山です。
そのあとにできた大浪池、夷守岳、白鳥山なども比較的古い火山です。
![霧島火山の形成史:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターより引用](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/06/20230605_03d.jpg)
霧島火山の形成史:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センターより引用
引用元:霧島火山の形成史:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター(https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/kirishima/text/exp11-1.html#)
約3万年前以降には
甑岳、韓国岳、新燃岳、中岳などができ
約7300年前以降には高千穂峰、御池、御鉢などの火山ができました。
霧島で最も新しい火山は
16~17世紀頃にできた現在も活発に噴気を上げる硫黄山です。
・
霧島山では、数万年~数十万年といった
遠い過去の話だけではなく
歴史時代も度重なる噴火が起こっています。
近年噴火し、現在も噴気をあげる
新燃岳や硫黄山のほか、御鉢もその代表例です。
※特に新燃岳と御鉢の噴火については、古文書にも詳しくその記載がされており、当時の人々が大きな被害を受けたことがわかっています。
成り立ちの特徴からわかるのは
霧島山はどこで噴火するか予測が難しいということです。
今後、最近活動が活発な火山だけが噴火するとは限らず
今は静かな別の火山が活動を再開したり
まったく新しい火山ができる可能性もあります。
霧島山は、まだまだ未知の部分が多い火山なのです。
実際に山を歩く際に地質図と地形図を
照らし合わせて見る方は決して多くはないと思いますが
地質図を見て考えると
また面白い発見もあるものです。
また霧島山系の火山地質図や形成史を見て
霧島の山を歩くとたくさんの火山が
別の時代で噴火した跡を感じることもできます。
例えば高千穂峰を例に挙げて見ると
最も登山者の多い高千穂河原からのコースを歩いた場合と
その逆のコース(天孫降臨・夢が丘・霧島東神社)では
植生が全く異なることに気づく方も多いと思います。
これは高千穂峰の御鉢が
比較的新しい火口であることを
歩いて感じることが出来るポイントです。
新旧様々な火山を持ち
それぞれに違った風景の楽しめる霧島の山々。
是非皆様も、歴史と照らし合わせて歩いて見ると
きっとまた違う魅力を発見できると思います。
もっと詳しく霧島の歴史について知りたい方は
是非ご自身でも色々と調べてみてください。
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