先日、昆虫調査専門家の
綾ユネスコエコパークセンター推進室
綾ユネスコエコパーク推進専門監の
木野田先生にお越しくださって
店頭にて
日頃から山や山間部の自然を楽しむ方と一緒に
昆虫の魅力や、その生態から感じる
宮崎県の自然というテーマで
セミナーを実施させていただきました。
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山や山間部で様々な遊びを楽しみながら
多くの動植物に出会い、触れて楽しみますが
今回はその中で”昆虫”にピックアップして
その魅力や、生態、そして昆虫の視点から見る地域の環境。
テーマとしては固く見えてしまいますが
苦手な方も多い昆虫について、楽しく知りながら
僕らが日頃楽しむフィールドのことを
より深く知って行こうという試みでございます。
昆虫標本
博物館などで昆虫の標本を見ることはありますが
実際に間近で蓋を開けて
標本を見るのが初めてな方も多く
まずは昆虫の魅力や美しさを、間近で観察させていただきます。
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クワガタなど幼少期から馴染み深い昆虫や
マイマイカブリのような大きな昆虫に
蟻のような小さな昆虫の標本まで。
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参加された方の中には昆虫標本の製作に
関心ある方もいらっしゃったため、
昆虫標本に使われるドイツ箱のことや
標本の作り方なども簡単に説明いただきました。
昆虫採集・調査
そして実際に木野田先生がフィールドで
昆虫採集や調査を行う際の道具や、その手法
そしてこれまでの調査などでのエピソードなどを
面白おかしく解説してくださいます。
実際にフィールドで
昆虫探しに出かけたいという声もあったので
どこかで企画しようと思います。
昆虫の見分け方・生態
次に実際の標本や図を見ながら
クワガタのメスを例に種の見分け方を解説いただいたり
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蝶と蛾の見分け方を解説いただいたりと
日頃から馴染み深い昆虫の種や
見分け方を教わります。
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そして進化の過程で飛ばなくなったが故に
地域によって個体差のあるオサムシなどを
実際に写真と標本でチェックします。
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このあたりでは
日頃から詳しく観察したことのない昆虫も多かったため
参加いただいた方と「へぇぇ」「ほぉぉ」と関心の声も。
同時に敬遠していた昆虫に
「美しい」「面白いなぁ」と
そうした声も多く聞こえ始めます。
また進化の過程での変化や擬態など
その地域性などを昆虫から垣間見ることが出来ましたのも
また新しい発見でございました。
※ここで詳しく書くと終わらなくなってしまうため
また改めてご紹介できれば幸いです。
昆虫の視点で地域の環境を考えてみる
今回のテーマのひとつでもあります
昆虫の視点で考えた地域の環境につきまして
様々な質疑応答とともに
参加された方々と一緒に学ばせていただきましたが
その一部をご紹介させていただきます。
僕らが暮らす宮崎県でも
昆虫は非常に減少していると言われており
その要因などを昆虫の視点で話してくださいました。
人間によるダメージ
これまで長くの間、森林の伐採などをはじめとした人間によるダメージによって、昆虫はたくさんの住処をなくし、その数が減少していると言われています。
しかし先生は同時にこう話してくださいました。
「過去の伐採などを決して悪く言うのではなく、今はそうした伐採が与える環境ダメージのインパクトを考えて、それらを修復して行かなければならないという事に気づいた時代でもあると思います。誰も好きで自然破壊をした訳ではなく、これからしっかりと生物の多様性を保全できるような環境をひとりひとりが考えていく必要があると思います」
シカの食害によるダメージ
多くの山間部で問題になっているシカの異常な増加による食害ダメージにより、下草などの消失が発生し山間部に暮らす昆虫の数が減少し、非常に改善が困難だと思われる環境悪化が見られる。
これらは僕らもお客様も多くの山間部で耳にする言葉です。
様々な要因が考えられると多くの方から伺いますが、同時に手の付けようがないほどの異常な環境変化だと伺うことが多いものです。
人の暮らしの変化による自然の変化
山間部の人口の減少に伴い、里や山と人との距離が離れたことにより、野焼きが少なることやため池の変化、田んぼと用水路の変化や、農薬や界面活性剤をはじめとした化学薬品の登場など、人の暮らしの変化に伴い、昆虫が暮らしやすい環境が減ってしまった。
外来種によるダメージ
商業施設で購入した外来種を自然に放してしまうことにより、在来種が減少したり、在来種と交配することにより純粋な在来種の減少などが各地で見られる。
ペットと同様に生き物を飼うことは責任が伴うことであり、しっかりと最後まで面倒を見ることが大切であると同時に、外来種を自然に放してしまうことのリスクなどを語ってくださいました。
調査・研究・保全活動を取り巻く環境の変化
最後に僕らが日々山間部で話を伺うことのひとつで、自然に関わる調査研究や、保全活動を行う方々の高齢化や人口減少について、昆虫調査についての質問もさせていただきましたが、昆虫に関する調査や研究についても同様で、高齢化や人口減少が課題として存在しているとの話を伺いました。
自然が比較的豊富に残されている宮崎県でも、残念ながら調査研究に携わる方は少なく、調査研究者が少なければ、自然や環境変化に気づくことが遅れてしまうという点も存在するものであります。
※こうした調査研究には、ボランティアで携わる方々が多くいらっしゃいます。
まとめ
引き続き当店でも
お客様と一緒に自然を楽しみながら
より幅広い魅力を楽しめますよう
調査研究に携わる方々や
保全活動に携わる方々との交流機会を作りながら
僕らにできることを皆様と一緒に考えていきたいと思っております。
ある研究者の言葉では
こんな話をされていたと聞かせてくださいました。
僕らは九州のブナが滅んでしまう時代を、今まさに見ている。ブナが滅ぶ森を見ながら、貴重な動物も滅んでしまう時代を今まさに目の当たりにしている。
多くの方は、山を訪れると
「美しい」「綺麗だ」「良い景色」と
感動しますが
反面
長く山間部の自然を楽しまれている方の多くは
山や渓谷の自然を見て
「大きく変わってしまった」「崩れてしまった」
という印象を持っていることが多いものです。
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そんな環境の中で
木野田先生はこんな話を最後に語ってくださいました。
森や自然と暮らす知恵や恩恵は、非常に豊かで素晴らしいものです。
便利さだけを追い求めることよりも、自然の大切さを感じ楽しみながら、様々な発見を楽しみ自然に触れる機会をたくさん作ってください。
これからもお客様と一緒に
様々な体験や、知る機会を作りながら
少しずつ僕らにできることを
皆様と一緒にチャレンジ出来たらなと願っております。
ご参加いただきました皆様
そして木野田先生、貴重な時間を本当にありがとうございました。
また次回のセミナーもお楽しみに。
木野田先生おすすめの書籍
宮崎や南九州の山で昆虫を見つけたなら
この図鑑で調べると分かりやすいと
木野田先生におすすめの図鑑を教えていただきました。
早速僕もポチっと…
また新しい趣味が増えてしまいそうです笑
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