【Users Report】祖母傾縦走を楽しまれた方のお話

宮崎県と大分県の県境に位置する「祖母傾山系」

非常に奥深く美しいこの山々は、ユネスコエコパークに登録されることが決定し、注目を浴びていますが

登山やハイキングを楽しまれる宮崎の方にとっては、美しく楽しい山々があることで非常に人気のあるポイントです。

その山系を縦走する「祖母傾縦走」は、九州屈指の縦走路として登山を楽しまれる方に愛されている縦走路です。

今回は今年(2018年)のゴールデンウィークに
その縦走路を歩かれた東さんという方と話をしてまいりました。


宮崎県で様々なアウトドアを楽しまれる東さん

今回話を伺いました東さん。

二児のパパで、休日は登山やハイキング、サーフィンに、キャンプ、クライミングと
宮崎県で様々なアウトドアを楽しまれており、僕も頻繁に遊んでいただいています。

毎週金曜日には、宮崎県体育館でクライミングウォールに集まり、まったりとクライミングを楽しまれる仲間のお一人でもあり、みんなから親しまれている、気さくで優しいお兄さん。

宮崎県の自然をこよなく愛し「こんなに身近に美しい自然が沢山ある宮崎県を、もっと楽しむ方が増えたらいいのに」と、いつも色んなご協力をいただいております。

そんな素敵な東さんに旅の思い出を聞きました。


祖母傾の縦走をしようと思ったきっかけ

PORTAL:中野
今回ゴールデンウィークに祖母傾縦走を楽しもうと思ったきっかけを教えていただいてもいいですか?

東さん
祖母傾山系の縦走は、九州の中でも数少ない素晴らしい縦走路のひとつだとずっと思ってました。

さらに宮崎県では最高峰にあたる祖母山、見た目のカッコいい傾山。
これを結ぶ縦走路として憧れを持っていました。

時期的にゴールデンウィークだと、アケボノツツジやミツバツツジなど、
花を楽しみながら歩けるタイミングで丁度いいかなと。

実は…
2年前に一度挑戦したのですが、体調が悪く傾山からブナ広場までで断念してしまったのです。

ずっと自分のコンディションと休みのタイミングが合う時を考えていまして、今回の挑戦でした。

狙いはぴったりで、沢山の花を楽しめた縦走路

狙いはぴったりで、沢山の花を楽しめた縦走路だったそうです

 

夕暮れ時にも山の中でこうした風景を楽しめるのが縦走の魅力の一つ

夕暮れ時にも山の中でこうした風景を楽しめるのが縦走の魅力の一つ

 


計画段階

PORTAL:中野
祖母傾の縦走を計画する中で感じた楽しさや苦労があれば聞かせてください。

東さん
基本的に山を歩くときは1人の時が多く、1:50,000の地図で歩くコースをイメージしたり、
コースタイムを考えたり、テン場を検討することが、今回に限らずいつもの楽しみです。

今回の縦走の場所である祖母傾山系は山深く、アクセス面での課題に最後まで悩みました。

最終的にはエスケープルートも考慮し、バスの利用もしようと思っていたので
車をどの位置に停めておこうかなどと、そうした検討にも時間を費やしました。

また2泊3日をテント泊で楽しむのに、担ぐ荷物の重量に何度も悩み
何度もパッキングしてはバラしたりを繰り返し、最終的にはスタート時の荷物を18kg程度にしました。

こうした事に何度も頭を抱えるのが、楽しみでもあって苦労でもありました(笑)

頭を抱えて作ったプランをスタートさせるときのワクワク感もたまりません

頭を抱えて作ったプランをスタートさせるときのワクワク感もたまりません

 


今でも思い出す縦走のこと

PORTAL:中野
縦走を楽しんでいる最中に「よかったなぁ」と思うことや「辛かったこと」など、思い出に残るなということはありましたか?

東さん
九折駐車場に車を停めて、1時間ほど歩き「傾山登山口バス停」でバスを待っていた時。
朗らかな雰囲気の中、若い鶯が鳴く練習をしていたのですが、その時の柔らかな空気感が今でも鮮明によみがえります。

そこからバスで尾平鉱山まで移動し、僕は尾平から宮原コースで縦走路に出ました。

その日は「祖母山九合目小屋下」でテント泊をしましたが、僕のとった少し短縮したコースではなく、完全縦走と呼ばれるコースを楽しむソロの方が4名いらっしゃいました。

祖母のテン場や九折越のテン場と、行動はそれぞれ別々でも、2泊同じメンバーが顔を合わせる中で自然とお互いに声を掛け合う。

まったく違う仕事、住所、年齢、登山歴にも関わらず、同じことを楽しみながら交わす挨拶。

下山後は、もう会うことがないであろうという人との会話。
山の中で過ごしながら、なんだか濃密と感じられる時間を楽しんでいました。

この山系にある可愛らしい看板も思い出のひとつ

この山系にある可愛らしい看板も思い出のひとつ

 

最初はよそよそしい挨拶も、旅の後半には気軽に声を掛け合うように

最初はよそよそしい挨拶も、旅の後半には気軽に声を掛け合うように

 


縦走の感想

PORTAL:中野
実際に憧れを持っていた縦走路を歩いてみていかがでした?
何か感じたことなどがあれば、是非聞かせてください。

東さん
祖母山へ尾平から登るには、高千穂町側から車で入ります。
その際に、尾平越えトンネルという隧道(すいどう)があります。

そもそもここにトンネルを掘ろうとした人も凄いですが、この先の尾平鉱山跡には廃墟や鉱山施設が残っています。
最盛期には、こんな山奥の日の光も少ない土地に2,000人もの住人が居たそうです。

鉱山が廃坑となった後は、そこを去る人、林業に仕事を変える人と様々だったようで、
その当時の麓の生活や、人口というのは大きく変わったと思います。

そんな中でも山の姿は変わってないのだろうな。
そんなことを考えながら歩いていました。

色々な時代の変化や環境の変化の中でも変わらない姿の、祖母山から傾山までの山々。
素晴らしい自然の豊かさや、大きさに感動しながらのハイキングでした。

ちなみに、前回縦走を断念した時、
尾平越えに下り、尾平鉱山バス停から傾山までバスで移動している際のことです。

そのバスには僕と60代の女性の方との2人でした。

話をさせていただいていると、その方は現在関東で暮らされているそうでしたが、
尾平鉱山の最盛期にこの鉱山で生まれ、中学生時代まで、この場所で暮らしていたとのこと。

その方の話では、最盛期には学校や映画館、飲み屋さんなどが、下界よりも栄えていたと教えてくださいました。

その女性は元気なうちに、もう一度尾平の町を訪れたかったという思いから、1人でお越しになったようで

バスの乗り継ぎで大分市内を経由して、大分空港へ向かい関東へ帰るということでした。
別れ際に見せてくれた、とても満足そうな素敵な笑顔を今でも覚えています。

PORTAL:中野
なんだか、東さんらしい素敵な思い出ですね。

長い間変わらない山の姿を長めながら思いに馳せる

長い間変わらない山の姿を長めながら思いに馳せる

 

山だけでなく、そこにある風景も昔と変わらないと思うと感慨深い気持ちになります

山だけでなく、そこにある風景も昔と変わらないと思うと感慨深い気持ちになります

 


これから楽しもうとしていること、チャレンジしたいこと

PORTAL:中野
なんだか、とても心の温まる話を聞かせていただいて、ありがとうございます。

最後になりますが、これから宮崎県で楽しみたいことや、チャレンジしたいことはありますか?

東さん
はい、山ほどあります(笑)

今、毎週金曜日に宮崎県体育館でクライミングをみんなで楽しんでいます。
もっとクライミング技術も覚えて、スマートにカッコよく楽しめるといいなと思っています。

まだまだロープワークなどは不慣れなところもあるので、皆さんと楽しみながら習得していきたいですね。

今ではサーフィンや登山・ハイキング、クライミングと色んな外遊びを楽しんでいますが、この夏には沢登りに挑戦したいです。

谷からという、これまでとは違った視点から宮崎県の自然を楽しめることにワクワクしています。

PORTAL:中野
素敵なお話をきかせていただいて、ありがとうございました!


今回お話を聞かせていただいた終始にこやかな東さん。

本当に宮崎の自然が好きで、実は地質にもとてもお詳しいのです。

また楽しい話を次回には聞かせていただきます。

山を歩きながら、はるか昔の地層を教えていただくと、これまで想像もしてなかったような世界が垣間見れるようで楽しいものです。

これからも色んな方の楽しみ方を通して、今まで考えてもなかったような宮崎県の面白さがお伝えできたらと思います!

ご覧いただきありがとうございました。

美しい縦走路

美しい縦走路

 


今回東さんが歩かれた「祖母傾縦走」のルート

九州の中でも屈指の縦走路。
とても人気が高く、登山を楽しんでいる方であれば憧れるコースの一つです。

 

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    • 東良子

    若い時は山歩きが好きでした。体力的にもう登ることはできないけど、その自然の楽しさが伝わって来ます。これからも気を付けて楽しんで下さい。また、それを伝えて下さいね😊

    • shogo.nakano

    @東良子さん
    コメントいただきましてありがとうございます!
    もしも、もう登れることが出来なくても、少しでもご覧いただいて楽しんでいただけるような内容がこれからもお届けできますように頑張ってまいります。
    また「少し自然の中を散歩でもしようかな」と思っていただけると嬉しいです。
    これからも十分に気を付けながら、安全第一で楽しみながら、色んなことをお伝えできますように頑張ります。
    お暇なときはまたご覧いただければ幸いです。嬉しいコメントをいただきまして、本当にありがとうございました。

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