冬のハイキングのレイヤリング -宮崎編-

様々なアウトドアのアクティビティを楽しむ際
ウェアのレイヤリングは快適に楽しむために
とても大切な要素のひとつ。

登山やハイキングなど
アウトドアを楽しみ始めたばかりの方は
レイヤリングと言っても
分からない方が多いと思いますが

アウトドアを安全かつ快適に楽しむためには
とても大切ですので
改めて「レイヤリングとは」ということも合わせて
ご紹介します。

ウェアのレイヤリングは
登山やハイキングだけでなく
渓流釣り・クライミングなどを始め
様々なアクティビティを楽しむ上で
とても役に立ちます。


Layering(レイヤリング)とは

冬の霧島にて

冬の霧島にて

アウトドアのアクティビティを楽しむ時は
基本的には3つの層(レイヤー)の重ね着で
衣服内の温度調整を行います。

最も肌に近いところから
ベースレイヤー
ミドルレイヤー(ミドラー)
アウターレイヤー(アウター)などと呼ばれますが
その時の天候・フィールドなどに応じて
最適なウェアの層を考えて調整することを
レイヤリングと言います。

簡単に言えば
楽しむ場所や目的に合わせて
重ね着を考えることと思って間違いないと思います。

3つのレイヤーを常に着用している訳ではなく
暑さ・寒さに応じて脱ぎ着して
衣服内の温度や湿度の調整を行いながら
快適に楽しみます。


Layeringの目的

冬の霧島にて

冬の霧島にて

アクティビティを楽しむ際のレイヤリングは
基本的には安全性・快適性
またはパフォーマンスに直結します。

温暖な宮崎県では
レイヤリングの問題が
“生命の危機に”なんてことは
基本的に多くなく
冬でも初心者が楽しみやすい気候というのは
とても大きな利点ですが

快適性やパフォーマンスを考える上で
最適なレイヤリングを考えることは
とても大切です。

また、しっかりとレイヤリングを意識できることは
その他の山や山間部のアクティビティを楽しむ時にも
とても役に立ちます。


Layeringで考えるポイント

冬の霧島にて

冬の霧島にて

レイヤリングは基本的に
衣服内の温度調整を行うものなので
天候や気温、季節によっての保温性を考えますが

暑さや寒さというのは
どうしても個人差もあるため
自分に合ったウェアを選択できることは
とても大切です。

もうひとつ考えるポイントとして
衣類の強度や素材も考えておくと安心です。

例えば
なだらかで広いフィールドをのんびり歩く時と
藪漕ぎや岩に擦れたりと険しい山を歩く時では
使用するウェアの素材などは異なります。

そうしたことから個人的には
温度調整と、素材特性を考えて選ぶことは
とても大切だと思っています。
(大切なウェアを速攻で破ったりしたくないので…)

そうしたことも踏まえながら
具体的なレイヤリングと素材特性などを
簡単に紹介してみます。


Base Layer(ベースレイヤー)

Base Layer

Base Layer

最も肌に近い場所のレイヤーが
Base Layer(ベースレイヤー)で
肌着・Tシャツ的なモノをイメージして
間違いありません。

温暖なシーズンや暑い時は
当然ながらBase Layer単体で行動します。

Base Layerは
汗を素早く肌から離すことによる汗冷えの防止や
寒い時の保温性など
素材により目的が異なります。

例えば上の写真は
THE NORTH FACE社の
Expedition Dry Dotというシリーズですが
肌面には撥水加工を施した素材を用いて
表面に吸汗速乾素材を用いることで
肌から汗を素早く離して乾かすという役割があります。

Base Layer(merinowool)

Base Layer(merinowool)

次に上の写真は
メリノウールのベースレイヤー。

高品質なメリノウールは
肌触りの良さ以外にも
調温調湿機能や、優れた保温性
非常に高い防臭性などがあります。
また日常にも使える汎用性の高さも魅力です。

そうした素材特性を考えて
ガツガツ歩いて汗をかくことを想定する場合や
寒い中での保温性を重要視する場合で
素材を考えるのは大切なポイントです。

なお、乾きの遅いコットン素材は
基本的に山のアクティビティでは使用しません。

暑さ・寒さを感じる体質などにより
保温性、生地の厚みなどは異なることがありますが
素早く乾くというのはとても大切です。


Middle Layer(ミドルレイヤー)

Middle Layer

Middle Layer

続いて
Middle Layer(ミドルレイヤー)は
中間着として保温などの役割を担います。

フリース的なものをイメージいただくのが
一番分かりやすいかと思いますが
近年では様々な素材が開発され
従来のフリースよりも優れた機能を持つものが
多く市場に出ています。

上の写真はTeton Bros.の
Graphene Jacketというミドルレイヤーで
素材にGrapheneという遠赤外線効果
高い熱伝導性、低温時の保温
高温時のクーリング、防菌防臭と様々な機能を兼ね備えたフリース。

薄手ながらに動きやすく
機能性に優れた1枚。

Middle Layer

Middle Layer

上の写真はAXESQUINの
Hi Loft Fleece Jacket。
フリースと言えばなPOLARTEC社の
HI LOFTを素材に採用し

適度な通気性を持たせつつも
重ね着などを行うことで
高い保温性を作れます。

ミドルレイヤーを厚めにすれば
アウターを羽織った際の空気層を多く作れて
高い保温性を発揮できるため
ベースレイヤーとミドルレイヤーの組み合わせは
保温性を考える上でも
とても大切です。

また、ミドルレイヤーで行動するケースは
様々なアクティビティで多いため
出かけるフィールドや遊びの目的によって
耐久性・擦れなどの強度
または速乾性などを考えることも大切です。


Outer Layer(アウターレイヤー)

Outer Layer

Outer Layer

単にアウターと言った方が
分かりやすいと思いますが
レイヤリングの際に
最も外側に着用するのがアウターです。

外部からの風や冷気を遮断することで
衣服内の保温をキープすることや
雪や雨から内部の濡れを守る役割があり
「⚪︎⚪︎シェル」と呼ばれるものが多いです。

温暖な宮崎県では
レインウェアを代用することでも
多くの場合はカバー出来ます。

上の写真はTHE NORTH FACEの
Hybrid Sheerice jacketという
ハードシェルジャケットで
冬の山、アイスクライミングなどに適した1枚。
優れた動作快適性や、高い強度
雪上での滑りにくさなどを考えて設計されています。

防水の必要がある場合は
GORE-TEXなどに代表される
防水透湿素材を使用することで
外部からの水気は通さずに、内部の湿度を抜いて
快適に行動できるようにします。

Outer Layer

Outer Layer

次に上のジャケットは
Teton Bros.のGlacier Hoody。

ソフトシェルジャケットに分類するもので
防水使用ではありませんが
非常に優れたストレッチ性と
高い耐久性に優れた撥水性を持たせることで
薮や岩などの擦れに強く
高い動作快適性を持たせています。

藪漕ぎや岩の擦れなども気にせず
高い撥水性で、ちょっとした雪なら気にせずに
楽しめる1枚。


Active Insulation

Active Insulation

Active Insulation

次に少し例外的な特性のある1枚で
上の写真はTHE NORTH FACEの
FL Ventrix Jacket。

当店では非常に好評いただいている1枚ですが
内部にスリット入りの中綿Ventrixを使用し
表地には防水透湿素材の
FUTURELIGHTを使用することで

ミドルレイヤーとしての機能と
アウターとしての機能を兼ね備えています。

各社からActive Insulationと呼ばれるジャケットが
出ていますが、こうした高い機能性を持つアイテムも
近年では増えてきました。
(細かな説明はここでは割愛します)


快適かつ面白いレイヤリングの世界

アウトドアアクティビティに用いるウェアは
多くの場合、高い機能性を兼ね備えており
安全かつ快適に楽しめるように設計されています。

それぞれに特性があることで
のんびり歩きたい時
ガサガサとしたフィールド
岩に擦れてしまうようなルート
渓谷でのスレなど
その時々の状況に合わせたレイヤリングを考えるのは
非常に面白いものです。

暑さ・寒さの個人差
出かけるフィールドや目的
その時の気分と
レイヤリングを考える要素は様々なので
必ずしも「正解」というものはありませんが
基本的に3つの層を考えることで
安全かつ快適に楽しめます。

最初から様々なアイテムを持っている訳ではなく
楽しみながら好みや気分に合わせて
少しずつ買い足していくものですが

遊びに応じて様々な選択が
自由に出来るようになれば
より遊びに集中できるのもレイヤリングの魅力です。

是非、いろいろな遊びや
いろいろな楽しみ方を覚えながら
快適なレイヤリングも楽しんでください。

ウェアの選択も
気軽にいつでも店頭で相談くださいませ。


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