今回は少し個人的な山の楽しみ方のひとつをつらつらと。
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長く山を歩いているお客様や案内人と話をしていますと「”木の墓場”みたいな場所が増えたな」なんて話が時折出ます。
山を歩いて約20年、最初は単純に綺麗な風景を眺めたり、人気な山へ出かけたり、険しい箇所を歩くのが好きだったりしました。(今でもそれは好きです)
長く山を歩いているお客様から、以前に「⚪︎⚪︎山は、もう木々が枯れて寂しくなるから行かなくなった」とそんな声を聞いたのを覚えていますが、自然の中を歩いていますとその変化に驚かされます。
個人的にそういう疑問が沸くと、その道の専門の方にいきなり電話をして教えを乞うことが多く、今回はそんなことを。
お客様には「一つの山の楽しみ方として、知っていただけたらな」と常々思っていることのひとつです。
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下の写真は先日歩いた石堂山。
そして次は10年以上前の写真。
以前から「禿げ散らかしてきたな」と思っていた場所ですが、年々禿げてます。
前には鎖などがなかった場所ですが、今は安全のために鎖が設置されている場所となっています。
ルート上にもずっと前にはなかったガレ場や鎖も増えました。
緑の加減は季節が違うので比較しづらいですが、歩く場所は訪れるたびに痩せこけて「どんどん歩きづらくなるのかな」等と思いながらの山歩き。
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そしてもう少し先の小さなピーク。
次に10年以上前の写真。
ちょっと分かりづらいですが、今では馬酔木が増えて下草は無くなっていまして、以前の写真を見ると「下草多いなぁ」なんて思います。
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次の写真では、馬酔木だらけになっている一面。
眼下に広がるモコモコとしたのは、人の背丈を超える馬酔木の群生。
お隣の市房山も馬酔木がガッツリ増えました。
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そして歩きなれた方とよく「木の墓場」なんて言っている場所。
上の写真は、この区間ではマシな方だと思います。
激しい場所ではほぼ立ち枯れている木か、倒れた木だけの場所も。
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僕は環境の専門家ではないので、こういう変化については専門の方によく話を聞きに行くのですが、ハッキリと明確な答えを出すのは誰に聞いても難しいようで、よく伺う話としては”鹿の過剰な増加”・”温暖化や異常気象などの気候変化”などが目立ちます。
個人的によく思うのは、ずっと以前にスズタケが一斉に枯れてから変化が目立つようになった印象ですが、これは単なる印象です…笑
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鹿の過剰な増加は本当によく伺いますが
鹿が食べるスズタケも無くなって木の皮を剥いたり下草を食べる。
すると地表で水を保水できなくなり、つねに地面が乾いているため、根の浅い木々が枯れやすくなる。
そこで大雨・台風などの異常気象が発生したときに木々が倒れてしまいやすくなる。
そんな流れのことを教わった時に「なるほど」と思ったのを覚えています。
そして馬酔木が目立つようになりましたが、馬酔木には毒があるので鹿が食べないため。
ツツジの仲間であるミヤマキリシマなども同じと言われています。
環境の変化の良し悪しは置いておき、そんなことを教わりながら山を歩くのも「わぁー、楽しー」という楽しみとは少し異なりますが、個人的には大切なことだと思いながらよく歩いています。
ある専門家の方々に集まっていただいて話を伺いに出かけたことがあるのですが、そこでは「この10年前後の間は変化が著しい印象です」と教えてくださいました。
そして「頻繁に地域の山を歩く君の方が、その印象は感じるんじゃないかな」とも仰っていただいたのを覚えています。
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山や山間部には、そんな森を守ろうと試行錯誤されている方々も居て、僕もよくお邪魔しますが、森の風景を見て変化を感じるのは”豊か”だと言えるかは何ともですが、興味深いことだと思います。
そして僕が衝撃だったのは「九州ではニホンカモシカはほぼ絶滅するだろう」と言われていること。
店の案内人と源流域をブラついている時に偶然出会ったニホンカモシカ。
希少性を知っているだけに感動がでかいものです。
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「森の変化を生活圏にいても感じるようになると怖いかもな」なんて、以前は知人と話していましたが、最近では山間部に行けば普通に感じるようになり「あらら」なんて思うことも増えました。
とりあえずは山を歩く時に「森を大切に」なんて思いながら歩く程度ですが、僕の好きな生物ライターさんが「自然に入ったら虫を探すのにひっくり返した岩ひとつを元に戻せ」と言っていたのを思い出しつつ、インパクトのない歩き方や行動の仕方を考えながら歩く最近の山歩きです。
時に少し心が痛むような光景を見ますが、知ると興味深いものが多く、時にブラタモリ的な歩き方を楽しんでいますが、日頃暮らしている土地を違った視点で見てみるのも面白いものだと思います。特に宮崎県は観光資源としても大切な自然なはずなので、綺麗な自然や動植物が豊富なのが良いことだと思います。
絶滅するだろうと言われているニホンカモシカが、現段階では生息していることだけでも、僕にとっては貴重で面白いフィールドです。
そんなことをブツブツ話しながら、一緒に歩いてみたいという方がいれば大歓迎です笑
変化が著しいと言われるだけに、数年空いただけでだいぶ景観が変わる山もあり、「楽しい」とは少し違う感情の時間になりますが、それもまた興味深いものです。
石堂山を歩きながらスタッフも「心が痛むなぁ」なんて枯れた木を見ながら言ってたので、少し違う角度の山の話でした。
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