宮崎県延岡市の奥地、上鹿川というエリアに位置する鉾岳(ほこだけ)。
非常に迫力ある一枚岩の山で、宮崎県の北部を象徴するような美しい渓谷、美しい森、迫力ある岩場など距離は短いながらにとても見どころが恐縮されている山です。コース上に少し険しい箇所などがあるため、初心者の方は経験者やガイドに同行いただくことをオススメしますが、一度は歩いて楽しんでほしい山。
歩行距離:約6km
登山口の標高:約720m
鉾岳の標高:1,277m
難易度:★★☆☆
※コース上に傾斜のきつい箇所などもあるため、初心者の方はガイドや経験者に同行いただきましょう。
鉾岳(ほこだけ) 標高:1,277m
鉾岳は、宮崎県延岡市と日之影町の境を流れる綱ノ瀬川の最上流部”鹿川キャンプ場”からスタートしますが、非常に大きな花崗岩の一枚岩が美しい山で、キャンプ場や登山口からも山を眺めることができます。
雄鉾(おんぼこ)と雌鉾(めんぼこ)の二つの岩峰を持ち、雌鉾の花崗岩スラブはクライマーにも人気で、気候の良い時はクライマーの方を見かけることも多く、周辺ではハイキング・クライミング・シャワークライミングや渓流釣りなど、様々なアクティビティが楽しめるエリアとして知られています。
またコース上では”パックン岩”として親しまれる岩などもあり、近年では短時間で楽しめる”パックン岩”までのハイキングを目的に訪れる方も増えました。
宮崎県北部の美しい原生林や、固有種の花”ツチビノキ”など、岩や迫力だけでなく森や植生も楽しめる山です。
登山口からのハイキングコース
登山口までのアクセス:舗装路、普通車可(道中は道が狭いです)
トイレ:登山口、登山道共にありません
ここでは登山口 – パックン岩 – 雄鉾 – 雌鉾のコースを掲載します。
登山口:鹿川キャンプ場
駐車場は10台以上は軽く停められるスペースがあります。
注意ポイント
鉾岳を含めて
山や自然を歩く際の注意点をご紹介します。
登山やハイキングで最も多いのは、道迷いによる遭難です。登山アプリなどの活用を行って常に現在位置を把握して楽しみましょう。
<初心者の方は経験者と>
安全面や楽しみ方を覚えるためにも、初心者の方は経験者やガイドに同行してもらって楽しみましょう。
<事前チェックを忘れずに>
簡単な山でも、しっかりと事前にコースの時間・難易度・危険箇所などをしっかりとチェックする習慣をつけましょう。
<お子様連れの場合は離れないこと>
家族連れで歩いて楽しむにも人気なコースですが、お子様連れの場合(そうでなくとも)、同行者と別行動を取らずに一緒に楽しみましょう。
<早めの行動を>
想定以上に時間がかかってしまったり、怪我などにも備えて山や自然を楽しむのは早めの行動が鉄則です。
<天候や気温チェック>
天候や気温のチェックをして、必要な装備(衣類)などを忘れずに携帯しましょう。
<家族・友人へ行き先を伝えておきましょう>
万が一の事故に備えて、家族や友人には必ず行き先やコースを伝えておきましょう。登山届の提出も日頃から習慣づけておきましょう。
<冬はしっかりとした装備を>
冬にはコース上に積雪や凍結があることも多く、しっかりとした装備を行なって楽しみましょう。※アイゼンはチェーンスパイクなどで十分ですが、木の階段が多く滑りやすいので注意しましょう。
<岩場や急な傾斜では慎重に>
コース上には岩場・渡渉・急な傾斜の箇所があります。こうした場所では怪我や滑落などの無いよう、慎重に行動しましょう。
登山口 – パックン岩
鉾岳へのコースは登山口を出発して、すぐに美しい森となるので前半部だけでも気持ちよく歩けます。途中で急な傾斜もありますので息が上らないようにゆっくりを森を楽しみながら歩いて高度を上げていくと不慣れな方でも安心です。”パックン岩”までならと手軽に出かける方も多いですが、意外に険しい箇所もあるので、しっかりとアウトドア用のシューズを履いておいた方が安心して楽しめます。
途中で渡渉(川を渡ること)箇所がありますので、足元にしっかりと注意しながら行動します。渡渉を終えたらすぐにパックン岩へ到着します。
この”パックン岩”を過ぎると、徐々に傾斜もきつくなり、少し険しい箇所を歩きますので、自信のない方はパックン岩まで歩いて引き返すことも可能です。
パックン岩 – 鉾岳山頂(雄鉾)
パックン岩を過ぎて鉾岳(雄鉾)の山頂までは、少し険しくなる箇所を歩き、梯子や急傾斜もあるため手足を使いながら登る箇所があります。そのため悪天候時などはオススメできません。コース自体は険しくなりますが、花崗岩や美しい森を常に様子を変えながら眺めて楽しむことができ、非常に美しい風景を楽しみながら歩くことができます。
一箇所のみ渡渉箇所はありますが、危険ではなく(増水時以外)、非常に美しいナメ沢を眺めて楽しめます。
鉾岳山頂周辺からは麓の集落や奥深い山々を眺めることができます。
雌鉾に行かれる場合はひと息ついて移動しますが、雄鉾だけを楽しんで下山することも可能です。
鉾岳山頂(雄鉾) – 雌鉾
雄鉾からいったん戻って、雌鉾との分岐点に到着すると少し歩けば雌鉾に到着しますが、少し険しい箇所もありますので転倒や滑落には注意しながら進みます。途中では一枚岩を縫って流れる美しい清流なども楽しめて、短いながらも感動の多い場所です。
山頂直下は最も傾斜がきつい箇所で、梯子などを使いながら登り、最後は梯子とロープを頼りに雌鉾のピークに到着します。非常に高度感もあるため高所恐怖症の方は注意が必要ですが、雌鉾のピークからの展望は非常に素晴らしく、一度は歩いて楽しんでいただきたい場所。
ピークで休憩を挟んだら来た道を戻って下山しますが、急な傾斜を下る箇所も多いので下山時も慎重に怪我や滑落などが発生しないように歩きます。
宮崎県北部は、大きな一枚岩や険しい岩場、美しい原生林・渓谷などが特徴的なエリアですが、鉾岳はそんな魅力を非常に凝縮したような山で、宮崎県の方はもちろん、遠方から訪れてくださる方にも歩いて楽しんでいただきたい場所です。
春にはミツバツツジやアケボノツツジ、そして新緑、梅雨から夏にかけてはササユリや固有種のツチビノキなど、そして秋には美しい紅葉と、季節ごとの魅力を満喫できるハイキングコースです。