可愛岳-えのだけ-(宮崎県延岡市)

先日の定休日は
宮崎県延岡市に位置する
「可愛岳(えのだけ)」へと出かけてまいりました。

グルッと周回で8km前後の距離があり
里山感を楽しみながら歩ける山ですが
様々な魅力もあり
宮崎県に住まれている方や九州の方には
是非一度は歩いてほしいなと個人的に思う山です。

可愛岳-えのだけ-(宮崎県延岡市) 標高:728m

可愛岳(えのだけ)の位置

可愛岳の位置


宮崎県延岡市に位置する可愛岳。
周回で8km程度の距離があり
一般コースタイムで4-5時間ほどの山。

里山的雰囲気もあり、日常的な運動としても
非常におすすめな山ですが
今回はその他の魅力も少しだけご紹介。

環状岩脈

祖母傾大崩ユネスコエコパークの
地質的な自然価値としても知られる
リングダイクと呼ばれる環状岩脈の
最も東部分に位置する山で

可愛岳・行縢山・茶臼岳
比叡山・矢筈岳・丹助岳と
同じ花崗斑岩が見られる山です。

環状岩脈(地質図より)

環状岩脈(地質図より)


上の地質図のオレンジの箇所が
リングダイクと呼ばれる環状岩脈で
細かな説明は省きますが
この環状岩脈の中で独特な生態系が生まれたとされるエリア。

こうして見ると大崩山や鹿川周辺の自然価値を
なおさら楽しめるものですが
可愛岳・行縢山・矢筈岳・丹助岳など
同じ岩質だなと思いながら歩くのも
このエリアの楽しみ方のひとつです。

西南戦争 -薩摩軍解散令-

西郷隆盛宿陣跡資料館

西郷隆盛宿陣跡資料館


こちらも細かな説明は
省かせていただきますが
山の麓にある「西郷隆盛宿陣跡資料館」は
西南戦争にて西郷隆盛率いる薩摩軍が
幕府軍に包囲され、解散令を出した場所であり

この可愛岳から高千穂町の三田井まで
険しい山々を敗走し、西米良村所などを経由し
鹿児島まで歩いた出発地点として知られています。

その為、コース上を歩きながら
この場所を西郷さんが歩いたのかと
少し感慨深い気持ちも感じる山です。

可愛岳を歩く際の注意

<登山口へのアプローチ>
北川はゆまICからすぐに到着します。駐車場は”西郷隆盛宿陣跡資料館”の駐車場を利用できるようになっています。駐車場まで舗装された道のため、普通車で問題なくアクセスできます。

<トイレ>
スタート地点である”西郷隆盛宿陣跡資料館”の駐車場に綺麗なトイレが設置されています。登山道にトイレはありません。

<危険箇所>
大きな危険箇所はありませんが、足元が滑りやすい箇所が多い為滑って転倒しないように注意しましょう。

<初心者の方>
総距離が8kmあり、山歩きの初心者の方は不安に感じることもあると思いますので、最初は経験ある方に同行いただいて楽しみましょう。

今回のコース

今回のコース

今回のコース


今回は
登山口-ひべら山-分岐点-ノゾキ-山頂-分岐点-烏帽子岳-登山口という周回コース。

約8kmの行程で
一般的なコースタイムは4-5時間ほどです。
樹林帯の中を歩くことが多いですが
要所要所に展望に優れた箇所があり
海まで見渡せる風景を楽しめます。

個人的にはこうした里山は
裏山を探検するような趣があって
好きなものです。

登山口 – 分岐点

駐車場から住宅の横を歩き登山口へ。

登山口から登り始めると周囲の住宅が見渡せ
里山を歩いている楽しみを感じます。

登山口付近から

登山口付近から


しばらくは樹林帯を歩きますが
伐採後などで
展望の良い箇所も所々にあります。

樹林帯歩き

樹林帯歩き


分岐点に近づくと
谷間を上がる箇所もあり
足元が滑りやすい箇所もありますので
滑って転倒や滑落がないように
注意しながら歩いて登ります。

谷を歩く一コマ

谷を歩く一コマ


たまに急な登りや
ロープを用いて歩く箇所などがありますので
そうした場所は注意して歩きます。

特に谷沿いや水のある場所は
足元が滑ることがあるので注意しましょう。

分岐 – ノゾキ – 山頂

分岐点まで上がれば山頂に向かう途中に
ノゾキと名付けられた展望所があります。
そこからは海まで見渡せる風景を楽しめるので
そこで一息つくのがおすすめです。

ノゾキからの展望

ノゾキからの展望


このノゾキと名付けられた展望所は
足元が断崖絶壁となっているので
展望を楽しむ際は注意しましょう。

そして、この場所では
山伏が逆さつりになって
ノゾキの修行をしたところとされますが
凄まじい修行です…

ノゾキの案内板

ノゾキの案内板


展望所で一息ついたら
山頂へ向かいます。

稜線上は花崗斑岩の多い登山道で
宮崎県北部らしい景観の中を歩きます。

大きな危険箇所はありませんが
所々に急な箇所があったり
岩の上を歩いたりしますので
足元には注意して歩きます。

山頂まであと少し

山頂まであと少し


そして山頂からは
大崩山方面の展望があり
360度の展望とは言えませんが
桑原山・大崩山・鬼の目山などが見渡せます。

山頂から大崩山方面の眺め

山頂から大崩山方面の眺め


山頂は広くはありませんが
2-3人はのんびり休憩できるスペースがあり
休憩したら帰路に着きます。

山頂 – 分岐 – 烏帽子岳 – 下山

山頂からは登りと違う道を下る周回コース。
基本的には樹林帯の中を歩くので
展望の良い場所は多くありませんが
もうひとつ烏帽子岳というピークを踏んで
下山することになります。

烏帽子岳

烏帽子岳


下山時も足元が滑りやすい箇所があるので
滑って転倒しないように
注意して下山しましょう。

下山中の一コマ

下山中の一コマ


コース上で西南戦争の後を
垣間見ることができ
看板なども設置されているので
時間が許せば確認しながら降りていきましょう。

西郷隆盛宿陣跡資料館

下山後に立ち寄りたいのが
西郷隆盛宿陣跡資料館。

実際に西南戦争の際に
西郷さんが話をした建物が残っており
可愛岳で発見された西南戦争の出土品や
西南戦争の歴史を見ることができます。

少し胸が苦しくなるような気持ちを覚えつつ

少し胸が苦しくなるような気持ちを覚えつつ


入館自体は無料なので(2022年2月時点)
少し時間にゆとりを持って下山し
是非立ち寄って帰りたいポイントです。

なお、可愛岳を歩く際は
事前に西郷隆盛の書籍や小説などを見ておくと
さらに感慨深い山歩きとなること間違いなしです。


宮崎県延岡市に位置する可愛岳。

地質的には非常に貴重な環状岩脈を
歩いて感じることができ
歴史的には西南戦争の終焉の地として
感慨深い気持ちになる山。

宮崎県や九州にお住まいの方や
日本史好きの方は
是非訪れて歩いていただきたい山でございます。

歩いたことのない方は
是非一度歩いてみてください。


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