美しい自然の多い宮崎県。
ひとつの山があれば、そこからは無数に谷が存在しており、谷の数はとても果てしないものです。
そんな美しい谷を歩くことも、尾根からは見えない独特の風景を楽しむことができます。
暑い夏には汗をかけばドボンと飛び込みクールダウンして。
男性も女性も水辺で遊ぶと、まるで少年少女のようにはしゃぎます。
沢には言葉に表せない力があるのかもしれません。
最近ではSNSの普及などで、色んな方が沢登りや釣りを楽しまれています。非常にベテランの方から、初めてで結構危険な場所に出かけたりされることも見受けられます。
沢には「沢登り」「渓流釣り」と様々な遊びを楽しまれている方がいらっしゃり、それぞれに安全のための知識や楽しむためのルールが存在しています。
専門的なことはここではいったん置いておき、沢で遊ぶ装備についてご質問をいただくことも多いのでごく簡単に紹介させていただきます。
沢には危険が沢山
沢で遊ぶことは、何よりも安全に対しての配慮が必要です。
山を登ることも、沢で遊ぶことも自然相手の遊びにはリスクはつきものです。とくに水辺での遊びは、ちょっとした転倒が大きな事故にもつながりかねません。
初心者だけで知らない場所を歩いたりすることは危険が伴いますのでやめておき、必ずベテランの方に同行いただいて楽しみましょう。少しだけ沢での遊びでの危険なことなどを記載させていただきます。
沢へ入る場所・沢から抜ける場所
入渓・脱渓と呼ぶ方も多いですが、谷底で遊ぶとき「飽きたから帰ろう」と言っても簡単に帰れる場所もあれば、帰ることが不可能な場所もあります。ゴルジュと呼ばれる峡谷の中では、まずそこから抜けることはできません。そんな場所で怪我をしてしまうなんていうことは考えただけでゾッとするものです。
危険個所をよじ登ったり、危険個所を下ったりということも多々存在することがあります。
地形や歩行可能かの判断も必要になることが多い上に、谷底は暗くなるのも早く、多くの場合尾根を歩くことよりも時間配分などに注意が必要です。
泳ぐ
時には泳ぐ以外に選択肢がないこともしばしば。
そんなときは冷たい水の中を泳ぐことがあります。
マムシ、ヤマビル
水沿いは蛇やヤマビルも多く生息している地域があります。
周囲に対する注意力や対策も必要なことが多く存在します。
天候による増水や鉄砲水
雨天による増水は非常に危険度が上がります。岩質などによっては降った直後から急激な増水をする場所もあり、天候や時間配分、悪天候時の判断などにも非常に注意が必要です。
浮石・落石
水辺では水の増水などによって、浮石が非常に多く存在しています。また雨などによって地盤が緩んだ箇所からの落石などに遭遇することもありますので注意が必要です。
釣り人
リスクとは少々意味合いが異なりますが釣りをされている方がいれば、その周りや前をジャブジャブ歩いてしまうと釣りの方が楽しむことができません。色んな遊びを楽しまれている方がいることを理解して譲り合いましょう。
そうした場合は、どの区間だと邪魔にならないかを話したり、その谷を上がって遊びは終了。ということもあります。
その他にも沢でのリスク対策は多く存在します。
初心者だけで手軽に沢を登り詰めていくというのは避けておきましょう。
沢の魅力
それでも、谷には魅力が沢山存在します。
水が作り出した美しい自然の造形美を目の当たりにしたときはとても感動します。
友人と笑いながら楽しみ、こうした環境の中で遊ぶのはとても充実感があります。
沢を歩くのに必要なもの
さて、色々と注意も必要ですが沢を歩くのに必要なものをご紹介させていただきます。あくまで一例にすぎませんので楽しまれる方は状況に応じて揃えていきましょう。
なお、沢登りについてはここには書ききれず、目的地などにもよって異なってきますため、楽しみたいという方はベテランの方に教わって同行してもらいましょう。
沢用のシューズ
沢を歩くには、沢用のシューズが存在します。
裏地がフェルトソールのタイプとラバーソールのタイプがあり、目的地の岩質や苔の状態などによって使い分けます。
遊びの種類などによって使い分けることも多く、好みで使い分ける方もいらっしゃいます。
- フェルトソールの特徴
フェルトソールは苔むした場所などで優れたグリップ力を発揮します。反面ソールのすり減りが早く買い替えなどのタイミングが早いです。岩質によってはフェルトソールの方が滑ることもありますので、どんな場所でもグリップを発揮するというわけではありません。長時間の登山道や下山ルートなどで使用するとかなりの早さでソールが摩耗します。
- ラバーソールの特徴
ラバーソールは花崗岩などの沢で非常に優れたグリップ力を発揮し、登攀要素の強い場所などではとても重宝します。反面苔やのり面などでは非常に滑ることがあり注意が必要です。沢へのアプローチや下山時にもそのまま使用するケースが多く、フェルトソールと比較するとソールの耐久性は強いです。
バックパック・デイパック
登山用のバックパックを使用する方もいれば、完全防水のものを使用するかたもいらっしゃいます。
目的やスタイルに合わせて選んで問題はありませんが、水に落ちてしまった場合、泳ぐことが必要な場合も考えて防水対策などが必要になります。
防水のスタッフバッグ
バックパックに入れておく貴重品や濡れると困るものを収納しておくのに、防水のスタッフバッグが非常に重宝します。
バックパックに空気と一緒に入れておくことで浮きの代わりになることもあります。
※浮きが影響して頭を水から出すのに邪魔にならないような注意が必要なこともあります。
レッグガード
脛や膝を岩から守るためにレッグガードを着用します。意外と沢では色んな箇所を打つことが多く大変重宝します。
またレッグガードはマムシなどの被害を抑えるためにも役に立つことがあります。
グローブ
岩を持ったり木の根や木を持って移動することも多く、登山道を歩くのとは大きくことなります。
指出しタイプのグローブや指全体まで覆ったグローブなど、ニーズに合ったものを選びましょう。
ウェア
沢用のウェアを着用しておくと比較的快適に過ごすことができます。
日本ではfinetrack社のウェアなどは愛用者も多く、非常に重宝します(僕も使用しています)
防寒対策
長時間水に濡れることで夏でも寒さで震えることがあります。
上に書いた沢用のウェアで対策を取りながら、時にはレインウェアのようなハードシェルジャケットを着用することもあります。
エマージェンシーキット
登山やハイキング同様に怪我をした時の対策として、エマージェンシーキットは必需品です。
ロープ
歩行する場所にもよりますが、大雨の増水などで度々谷では地形が変わることもあり、慣れてない場所ではロープを携帯して使用することも多々あります。
バーナー
昼食などに使用することはもちろんのこと、緊急時やケガをした時には沢の水を煮沸して飲料水として使用することができます。万が一の事態に備えて持っておくと安心です。
ヘッドライト
登山同様、下山できないトラブルに見舞われた場合、下山が遅くなった場合などに備えてヘッドライトを持っておきます。いざという時に使用できないようなことが無いように、防水対策や予備電池も必要です。最近ではほとんどのヘッドライトが防水仕様になっていますが、念のため確認しておきましょう。
行動食
行動中の食事やいざという時に備えて持っておきましょう。
地図・地図アプリ
谷の中で現在位置の判断をすることは、見通しがきかないので非常に困難です。GPSアプリなどが非常に重宝します。防水対策や落下で壊したり紛失することがないように十分気を付けましょう。
普段から人が沢山訪れる川などでも水難事故は発生します。
山奥の谷底などとなれば、万が一の事態が発生した際は発見も非常に困難になることが多く、動けない怪我が大事故に繋がるリスクもあります。
楽しまれる際は必ずベテランの方と一緒に楽しみましょう。
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