宮崎県と大分県の県境に位置する祖母傾山系は険しい岩場や美しい原生林の多い山域で、宮崎県周辺の山域の中では奥深さも楽しめる山域。その祖母傾縦走路の途中にある古祖母山は、登山口までのアクセスが容易で、コースも歩きやすく「初めて祖母傾山系を歩きます」という方にも、よくオススメする山。
美しい原生林と祖母傾山系に連なる山々を眺めれる稜線歩きが楽しめる良いハイキングコースです。
歩行距離:約6km
登山口の標高:約975m
古祖母山の標高:1,633m
難易度:★★☆☆
古祖母山(ふるそぼさん) 標高1,633m
春の花から新緑、夏の深い緑、秋の紅葉、冬の雪景色と奥深い原生林が存在する祖母傾山系は季節ごとの表情が非常に豊かで、険しい岩峰なども目立つ山域ですが、古祖母山はなだらかで歩きやすく、快適に景色を見ながらの稜線歩きなども楽しめるため、初めて歩いた方の多くが感動される山です。
一箇所だけハシゴがありますが、冬の積雪時以外は危険箇所もなく、比較的初心者の方でも歩きやすく、美しい原生林・景色を眺めながらの稜線歩き・祖母傾山系の奥深い風景を堪能しながら歩くことのできるコース。
古祖母山のハイキングコース
トイレ:登山口、コース上共に無し
※冬は積雪や道路凍結などの恐れがありますのでご注意ください。
登山口から稜線に上がった箇所に縦走路との分岐がありますので、道を間違えないように注意しましょう。
登山口:尾平トンネル登山口
駐車場は広いため十分な駐車スペースがあります。
注意ポイント
この山に関わらず
山や自然を歩く際の注意点をご紹介します。
登山やハイキングで最も多いのは、道迷いによる遭難です。登山アプリなどの活用を行って常に現在位置を把握して楽しみましょう。
<初心者の方は経験者と>
人気山域と異なり人の少ないことも多いため、安全面や楽しみ方を覚えるためにも、初心者の方は経験者やガイドに同行してもらって楽しみましょう。
<事前チェックを忘れずに>
簡単な山でも、しっかりと事前にコースの時間・難易度・危険箇所などをしっかりとチェックする習慣をつけましょう。
<お子様連れの場合は離れないこと>
家族連れで歩いて楽しむにも人気なコースですが、お子様連れの場合(そうでなくとも)、同行者と別行動を取らずに一緒に楽しみましょう。
<早めの行動を>
想定以上に時間がかかってしまったり、怪我などにも備えて山や自然を楽しむのは早めの行動が鉄則です。
<天候や気温チェック>
天候や気温のチェックをして、必要な装備(衣類)などを忘れずに携帯しましょう。
<家族・友人へ行き先を伝えておきましょう>
万が一の事故に備えて、家族や友人には必ず行き先やコースを伝えておきましょう。登山届の提出も日頃から習慣づけておきましょう。
<冬はしっかりとした装備を>
冬にはコース上に積雪があることも多く、しっかりとした装備を行なって楽しみましょう。※アイゼンはチェーンスパイクなどで十分です。
登山口 – 稜線
尾平トンネル登山口を出発して少しの間は植樹された樹林帯を歩きますが、すぐに美しい原生林へと変わっていきます。常緑樹の多い宮崎県ですが祖母傾山系は落葉樹が多く、四季の変化を実感しながら歩いて楽しめます。登山口から稜線に上がるまでの間は、少し急な傾斜を歩くので慌てて息が上がり過ぎることの無いように、ゆっくりと森を楽しみながら歩くのがオススメです。
稜線に上がるまでは展望はありませんが、美しい森の中を歩いて進むため、森の美しさを眺めて飽きることなく歩くことができます。
稜線に上がると縦走路との分岐がありますが、上の写真が目印。登りの際に道を間違えてしまうことはあまり無いと思いますが、下山の際には見落とさないよう注意しておきましょう。なお、祖母傾山系は案内板の字体が個人的にとても好きです。
稜線の分岐 – 展望台
登山口から少し急な傾斜を歩いて稜線まで上がると、アップダウンは少しあるものの、展望の良い稜線を気持ち良く歩いて楽しめます。稜線では最初に祖母山が顔を出し、祖母山・天狗岩・障子岳などの祖母傾山系の名峰を見たり、美しい原生林を縫って歩くというハイキングコースで、非常に良い稜線歩きを堪能できるのが魅力。アップダウンで少し疲れることもあるかもしれませんが、とにかく森が美しいので、ゆっくり森を楽しみながら歩いて欲しいコース。
そして展望台に着くと非常に美しい風景が楽しめますので、景色を眺めながらひと息ついて進みましょう。
上の写真が展望台からの風景ですが、右から順に祖母山・天狗岩・烏帽子岩・障子岳と連なっています。展望台の下は絶壁となっていますので、注意して展望を楽しみましょう。
展望台 – 古祖母山山頂
展望台を過ぎて山頂までずっと美しい森を縫う稜線歩きなので、終始森に癒されながら歩くことができるコース。危険という箇所はありませんが、山頂近くにハシゴが一箇所と少し急な勾配の箇所が一箇所。それ以外は本当にのんびりと風景や森に植物を楽しみながら歩けます。
稜線は春にはツツジの花が多いため、花を楽しみながら歩くにも非常にオススメなコースで、ミツバツツジやアケボノツツジなどはこの山域では非常に人気な花です。
そして山頂手前の急勾配を終えると祖母山などが綺麗に見える展望ポイント。
ここでも展望ポイントの先は絶壁なので、くれぐれも注意して風景を楽しみます。そしてもうすぐに山頂に到着しますが、山頂からは高千穂町方面を眺めることができ、祖母山方面とはまた違う風景を楽しめます。
山頂は北風を交わすことができるので、比較的寒い季節でも休憩がしやすく、食事などをとりながら風景を楽しむにもオススメ。少しアップダウンのある稜線歩きで疲れた方も、休憩して身体を休めたら、来た道を戻って下山します。
なお、ここから障子岳まで歩いていくことも出来ますので、体力のある方は古祖母山で小休憩を入れて障子岳まで足を伸ばしても日帰りで楽しめます。
下山時には道を間違えたりしないように注意しましょう。
初めての祖母傾山系の山歩きとしても、オススメなハイキングコース。冬にはしっかりとした準備が必要なことも多いですが、是非歩いて楽しんで欲しいコースです。