霧島山系のことを
より深く知って楽しむために
霧島ジオパーク推進連絡協議会の方々と
不定期で更新しております霧島山のコンテンツ。
今回は
「歩くとわかる火山活動の痕跡(火口湖編)」と題して
ご紹介させていただきます。
過去のコンテンツはこちら
歩くと分かる火山活動の痕跡(火口湖編)
狭い範囲に、火口や火口湖が密集している様子は
国内の他の火山にはない霧島山を特徴づける景観です。
水をたたえる美しい火口湖も火山活動の痕跡です。
霧島山周辺には、常時水を湛える火口湖が7つあります。
「えびの高原池めぐりコース」として人気の
白紫池、六観音御池、不動池の3つの火口湖はもちろん
大浪池や大幡池のほか
霧島山の東麓にある御池や小池も実はれっきとした火口湖です。
また、現在はなくなってしまいましたが
新燃岳にも2011年の噴火前までは山頂に美しい火口湖がありました。
霧島山を歩く人がこんな疑問を口にしているのを聞くことがあります。
「なぜ火口湖にはいつも水がたまっていて干上がらないのか」
「同じような火口の地形なのに、なぜ水がたまって湖になっているところもあれば、そうならないところがあるのか」
ということです。
たしかにこれらの湖には
流れ出す川もなければ、流れこむ川もありません。
地上で水の出入りがないということであれば
他に考えられるのは火口湖の地下にその秘密があるということになります。
実は、火口湖の水面は地下水面の高さと同じまのです。
つまり、穴が開いて窪んだ火口に地下水面が顔を出していることになります。
不思議なことは他にもあります。
標高が高い場所にも地下水面があることや
それぞれの火口湖がある場所は標高が違うことです。
※えびの高原の標高は1,200m。
例としてえびの高原池めぐりコースを歩くと
隣り合っている白紫池と六観音御池では湖面の高さが違うことがよくわかります。
理由は、それぞれの火山の地下に水を透しにくい地層があるからです。
つまり、地下の流れは地面の下の地質により影響をうけるため
湖面の高さも場所により異なっているということになります。
![火口湖の湖面の高さは場所により異なっている ※写真は2011年頃撮影したもの(霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/08/20230820_02a.jpg)
火口湖の湖面の高さは場所により異なっている ※写真は2011年頃撮影したもの(霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)
常に火口に水がたまるほど水量があるということは
霧島山の地面の下に豊かな水が蓄えられていることを示しています。
火口湖は、火山の地下の情報を教えてくれる存在でもあるのです。
霧島の山々は
ジオパーク推進連絡協議会の方が仰るように
狭い範囲に多くの火山・火口・火口湖が密集し
独特の風景が楽しめます。
![韓国岳から眺める大浪池](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/08/20230820_02c.jpg)
韓国岳から眺める大浪池
僕は地下水面ということも意識せずに
何となく火口湖を眺めて楽しんでいましたが
場所によって異なる地下水面の高さが異なるなど
知って歩くと楽しめます。
霧島山の活火山は
まだまだ知ると楽しめる面白さや不思議さがあり
是非、山に出かけた際は
色々と思い出しながら楽しんでいただければ嬉しく思います。
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