歩くとわかる火山活動の痕跡(火山噴出物) 前編 -霧島ジオパーク推進連絡協議会 + PORTAL-

霧島ジオパーク推進連絡協議会さまと
不定期で更新させていただいております
霧島山の楽しみ方。

今回は実際に山を歩きながら楽しめる内容で
高千穂峰の高千穂河原から山頂へのコース上で
知ることの出来る火山の噴出物について。


過去のコンテンツはこちらから


歩くとわかる火山活動の痕跡(火山噴出物) 前編

初めて訪れた人でも
絶えず上がる噴気や大きく開いた火口
草木のほとんど生えていない荒涼とした山肌などの風景をみれば
霧島山が火山ということはよくわかります。

霧島山は20以上の火山が折り重なって形成されている山です。

それぞれの火山は過去に噴火した際
火山灰や溶岩などを出し
それら火山噴出物は霧島山の周辺に累々と堆積しています。

今回は高千穂河原から御鉢を経由して高千穂峰へ至るルートを例に
登山道で見ることのできる火山の噴出物に関する内容です。

お鉢と高千穂峰(画像:霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)

お鉢と高千穂峰(画像:霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)

御鉢の登山道沿いの地面は
全体的に赤茶色をしており
大小の岩石が堆積しゴロゴロしています。

ゴロゴロしている岩石の大半は
「スコリア」と呼ばれる御鉢の噴出物です。

登山道上には赤茶色や黒っぽい色のスコリアが無数に転がっています。

お鉢の登山道沿いの斜面(画像:霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)

お鉢の登山道沿いの斜面(画像:霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)

スコリアを手に取って良く見ると
たくさんの小さな穴が開いているのがわかります。

なぜこのような小さな穴がたくさんあるのでしょうか?

お鉢に堆積しているスコリア(画像:霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)

お鉢に堆積しているスコリア(画像:霧島ジオパーク推進連絡協議会提供)

小さな穴の秘密は
スコリアの元となるマグマにあります。

マグマには水などの揮発性の物質が含まれています。
それらは地下深くにある時には
高い圧力がかかってマグマに溶け込んでいます。

しかしマグマが上昇して地表に近づくと
圧力が下がり膨張し発泡します。
無数の小さな穴はその時にできたものです。

この現象は身近なものに例えるとよくわかります。

コーラなどの炭酸飲料の容器の栓を開けると
勢いよく中身が泡立ちます。
これは炭酸飲料には二酸化炭素が溶け込んでいるからです。

未開封の状態だと圧力がかかって液体のままですが
栓を開けて中の圧力が下がると
溶け込んでいた二酸化炭素が一気に気化して発泡します。

これと同じ現象が火山の噴火で起きると
スコリアのような穴のたくさん空いた岩石となります。

ちなみにスコリアは赤茶や黒色をしていますが
白っぽい色のものは、「軽石」と呼ばれ
一般的にも良く知られています。

スコリアと軽石の色の違いは
マグマを構成する成分が違うことによるものです。


前編は高千穂峰を
歩いて見ることの出来るスコリアと軽石。

この石には3歩進んでは2歩戻るように
足を取られて…という方も多いと思いますが
火山帯特有の美しさを楽しめる高千穂峰。

少し足を止めて
足元の石を見て楽しむのも面白いものです。
是非次に高千穂峰に出かけた際は
足元のスコリアと軽石を眺めてみてくださいませ。

後編は火山弾や高千穂峰に見られる
しましまの地層についてです。
また次回もお楽しみに。


さらに色々調べてみたい方は
是非霧島ジオパークのWEBサイトも
チェックしてみてください。

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