霧島ジオパーク推進連絡協議会さまと
不定期で更新させていただいております
霧島山の楽しみ方。
今回は好きな方も多い植生編。
山を歩いていると
道中の植生の変化を感じることも多くあります。
今回は霧島の植生について
霧島ジオパーク推進連絡協議会の方々から
教えていただきました。
過去のコンテンツはこちらから
霧島の植生:その1
豊かな自然が魅力の霧島地域。
霧島山周辺を歩くと
多種多様な植物を見ることができます。
これは主に霧島の気候と
地理的な特徴が大きく関係しています。
霧島は日本の中でも特に降水量が多いところです。
これは、南からの湿った空気が霧島山系にあたり
雨雲を発生させて大量の雨を降らせるからです。
雨がもたらす豊かな水が
多様な植生を育む環境を作りだしています。
また、霧島は温暖な南九州に位置しているため
霧島山のふもとの標高の低い場所では
常緑広葉樹の森が広がり
中には南方系の植生も見られます。
一方で、霧島山は
最高点である韓国岳の標高が1700mあるように
ふもとから大きな標高差があるため
それに応じた気温差があります。
(一般的に、気温は標高が100m上がると0.6℃下がります)
![錦江湾(鹿児島湾)上空から見る霧島山とそのふもとに広がる霧島市。霧島市は、錦江湾の標高0mから韓国岳の山頂まで1700mの標高差をもつ。](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/10/20231029_02b.jpg)
錦江湾(鹿児島湾)上空から見る霧島山とそのふもとに広がる霧島市。
霧島市は、錦江湾の標高0mから韓国岳の山頂まで1700mの標高差をもつ。
そのため、温暖な山麓から
冷涼な山岳地帯まで多様な環境が生まれ
それに応じた植物のすみわけ(植生の垂直分布)が起こっています。
具体的には、標高の低い温暖な場所は
シイ・カシ類といった常緑広葉樹
標高が高くなると
アカマツやモミ、ツガといった針葉樹や
ミズナラやブナといった
冷温帯の落葉広葉樹が見られるようになり
山の稜線などの風が強く
樹木がうまく育たない場所(森林限界)になると
ミヤマキリシマなどの背の低い植物が目立つようになります。
このような植生の垂直分布が見られる場所としては
例えば屋久島などが有名ですが
霧島ではそれに加えて火山活動の影響も見られます。
そう考えると
霧島は他の地域と比較してみても
とてもめずらしい環境がある場所だといえます。
![御池野鳥の森周辺に広がるシイ・カシ類などの林](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/10/20231029_02c.jpg)
御池野鳥の森周辺に広がるシイ・カシ類などの林
![アカマツとミズナラの混じる林(えびの高原池めぐりコース)](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/10/20231029_02d.jpg)
アカマツとミズナラの混じる林(えびの高原池めぐりコース)
![御鉢の火口縁に生えるミヤマキリシマなどの背の低い植物](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/10/20231029_02e.jpg)
御鉢の火口縁に生えるミヤマキリシマなどの背の低い植物
霧島山の植生はおおまかには
下図のモデルのように分布しています。
ただしこれはあくまでモデルなので
実際の植生分布はもっと複雑です。
![霧島山における植生の垂直分布のモデル](https://portal.miyazaki.jp/wp-content/uploads/2023/10/20231029_02f.jpg)
霧島山における植生の垂直分布のモデル
次回は、実際にその様子を見ることができる場所を紹介します。
山を歩いて楽しむ際は
のんびり植生や動植物などを考えながら楽しむのも
ハイキングの魅力のひとつです。
是非、山を歩いて楽しむ際は
地域や標高などによって異なる植生を
楽しんでみてください。
広い霧島の森はこうした豊かな森のおかげで
野鳥なども非常に多く
植物・動物と観察しながら歩いてみるのも
きっと面白いと思います。
さらに色々調べてみたい方は
是非霧島ジオパークのWEBサイトも
チェックしてみてください。
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