霧島ジオパーク推進連絡協議会さまと
不定期で更新させていただいております
霧島山の楽しみ方。
今回は霧島の山を歩きながら楽しむポイントとして
本当に面白い霧島の植生と気候変動について
霧島ジオパーク推進連絡協議会様から
情報を提供いただきました。
先日1/26
新燃岳が爆発的噴火をして13年。
長く宮崎にお住まいの方は
記憶に残っていると思いますが
霧島の山は20以上の火山が折り重なって構成され
今でも活動中の山がある山域。
新旧の火山が多く存在していることで
歩くエリアによって植生が異なるため
1日で歩ける距離の中でも
大きな変化を感じることができるのは
霧島山の興味深いポイントだと思っています。
新燃岳の爆発的噴火から13年。
改めて霧島山の素晴らしさや美しさ
そして楽しみを知りながら
いつ噴火するか分からない活動的な火山だということを
記憶を風化させずに過ごして行きたいものですと
霧島ジオパークの方々からのメッセージも込めて
植生と気候変動のご紹介です。
過去のコンテンツはこちらから
霧島の植生と気候変動
20以上の火山が折り重なって構成される霧島山。
それぞれ異なった時期に活動した火山である
霧島の山々は
例えば新しい火山の周りには
草木がほとんど生えていなかったり
逆に長らく活動していない火山には
深い森が発達していたり、その山容も様々です。
その中で、古い時代の火山である栗野岳
比較的古い大浪池や六観音御池などには
ブナやミズナラといった
現在では九州より寒い地域に多く見られる植物が生えています。
標高1000mを超える霧島山が
温暖な南九州では涼しい場所とはいえ
なぜブナなどの植物が見られるのでしょうか。
その理由を知るには
日本はおろか世界も飛び越えて
「地球」に目を向ける必要があります。
もともと地球の気候は人間の活動とは関係なく
地球の公転軌道や地軸の傾きによる影響で
寒くなったり暖かくなったりを繰り返しています。
相対的に寒い時期を「氷期」
暖かい時期を「間氷期」といい
最近100万年に限れば、その周期は約10万年です。
そのスケールは私たち人間では
とうてい計り知れないものとなっています。
直近で最も地球が寒かったのは
旧石器時代にあたる2万年ほど前
逆に最も暖かかったのは縄文時代にあたる
8,000年ほど前だということがわかっています。
栗野岳や大浪池、六観音御池といった火山は
最後の氷期(最終氷期)が訪れた時には
すでに山体が存在していました。
したがって当時から
寒い気候の植物が生えていたと考えられます。
その後、1万年前ころから地球が急激に温暖化し
氷期の植物たちはその生息範囲を狭めていきました。
つまりブナなど
わずかに生き残ったその時の子孫が
冷涼な霧島山の標高の高い場所の一部に
今も残っているのです。
南九州が寒かった時代の証拠として
霧島山の麓に広がる加久藤盆地(えびの市)の
最終氷期に堆積した地層では
実際にトウヒやコメツガといった
本州以北の標高の高い場所
(亜高山帯)に生えているような
樹種の化石が見つかっています。
山を登ると
何気なく見てしまう植物たちですが
実は地球の壮大な歴史の一端を教えてくれる証人でもあるのです。
山を歩いて様々な観察を楽しむ中で
植生というのは、知れば知るほど興味深く
非常に知って面白いことのひとつです。
地域による地質や植生の違い
標高による植生の違い
そして霧島では火山の新旧による植生の違い
そうしたものをのんびり歩きながら
体感して楽しむことができます。
・
霧島の山々を歩く時は
その山が活動を行った年代などを知って
植生を眺めてみると
少し山の成り立ちや
今でも活動している火山だということが身近に感じることができます。
是非、霧島の山を歩いて楽しむ時の
参考になさってください。
さらに色々調べてみたい方は
是非霧島ジオパークのWEBサイトも
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